まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

歌舞伎座昼の部

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初世辰之助を追善する昼の部の演目は、最初の「義経千本桜 -すし屋」。 いがみの権太を松緑が演じ、妹お里を梅枝、父弥左衛門を團蔵、母おくらを橘太郎、維盛を菊之助、若葉の内侍を新悟、六代君を亀三郎。芝翫の梶原平三に従う家臣の一人が男寅くん♪

権太が内侍と六代君の身代わりに自分の妻子を差し出し、連れて行かれる二人の後ろ姿を見送りながら、ほんの一瞬、見せる表情がとても良かった。また、臨終の際、老母に対して「すまなかったな」、お里には「二人を頼む」と声をかけていたのも印象に残った。ひとつひとつが丁寧なのね。そこが良かった。

ただ、こういう愁嘆場ではよくあることなんだけど、全員が一斉に泣き崩れる、その泣き声が大きすぎてかえって興をそがれてしまう。実際、客席にも笑いが起こったりするんだよね。悲しい場面なのに。

続いて、これも追善の「暗闇の丑松」。上演記録によれば、初世辰之助が丑松を演じたときのお米は菊五郎。それを最後に、菊五郎が丑松を演じるようになって、私の中での決定版は今回と同じ菊五郎時蔵のコンビ。特に今回は、四郎兵衛が左團次さんだから、もう最高 (^^)

梅花さん、夜の部の魚惣女房に続いて、この作品での遣手もすごく良かった。松也の祐次もいかにも喧嘩っ早そうで好演。そして褌一丁で忙しなく走り回る湯屋の番頭を橘太郎が大熱演。東蔵の四郎兵衛女房の姐さんぶりも良かった。大満足!

最後に踊りがつく。芝翫と孝太郎の「団子売」。華やかな幕切れ。

近くの席にいた知人が声をかけてくれて、しばしお喋り。久しぶりに会えて嬉しかった。

初世辰之助は、クイズダービーに出ていた頃に何度か見たことがあるだけで、当時はまだ歌舞伎を観始めていなかったから、舞台を生で観る機会がなく、亡くなった後にいくつかの作品を録画で観て、ああ生で観たかった、と切に思った。享年40。早すぎたよねぇ…。