まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

歌舞伎座夜の部

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二月大歌舞伎の夜の部。最後の演目で本水を使うから、と水ハネを防ぐためのビニールが前方中央の各席に置かれていたのだけれど、隣りのオバサマ二人がもう最初の演目からずっとそのビニールを膝掛け代わりに掛けていて、「これ、あったかくていいわ」とか言っちゃってご満悦だったんだけど、動くたびにガサガサガサガサ、うるさくて仕方がなかった。勘弁してほしいわー。

夜の部の最初は「熊谷陣屋」。またかと思ってしまったのだけれど、意外にも1年ぶり。吉右衛門の熊谷、となると妻の相模は魁春又五郎の軍司、雀右衛門の藤の方、歌六の弥陀六と、おなじみの顔ぶれが揃う。義経菊之助。素晴らしく円熟した舞台なのはもう言うまでもないのだけれど、なんかね、いっつも同じ顔ぶれだから、新鮮味に欠けるというか、既視感が…。

曽我物の舞踊「當年祝春駒」は、梅玉の工藤、錦之助・左近の十郎・五郎、又五郎の朝比奈に、梅丸の化粧坂少将。大磯の虎が細面の美人さんで、誰かしらん? とよくよく見たら米吉だった。丸顔がトレードマークのようだったのに、痩せたかな? 左近くんも大きくなったなぁ。凛々しかった。

そして最後は初世辰之助の三十三回忌追善の「名月八幡祭」。今の松緑が縮屋新助を演じるのは2回目で、追善だけあって玉三郎の美代吉に仁左衛門の三次、歌六の魚惣、梅玉の藤岡と豪華な配役。梅花の魚惣女房と歌女之丞の美代吉の母もとても良かった。仁玉コンビのいちゃいちゃぶりがたまらない。

田舎者の純朴さとコンプレックス。追い詰められて狂気へと駆り立てられていく新助。美代吉を殺した直後、目の焦点が合わないままふらふらと歩く新助の表情が空恐ろしかった。当たり役だなぁ。

夜には雨が降り、雷雨になる可能性もあるという予報が幸いはずれ、余韻にひたりながら帰宅。明日の昼の部も楽しみ ♪