夕べの深夜から OTTAVA.TV で、ウィーン国立歌劇場のオペラ「マノン」の配信がスタートしていて、リアルタイムで観たい気持ちをぐっと我慢し、事前に予約してあった MET のライブビューイングを優先した。なので東劇で「カルメル会修道女の対話」を観終えて帰宅したあと、OTTAVA.TV で「マノン」を視聴。
同じ原作をもとに、マスネの「マノン」とプッチーニの「マノン・レスコー」という2つのオペラ作品があり、MET のライブビューイングでクリスティーヌ・オポライスが演じた「マノン・レスコー」のクールで退廃的なイメージが強く印象に残っているのだけれど、今回、ニーノ・マチャイゼが演じたマノンはそれを完全に打ち消すようなエネルギッシュで熱い女性。
特に、お金に目がくらんで愛する人を裏切っておきながら、マノンと決別して神学の道を進むデ・グリューのもとを訪れ、熱烈なボディタッチで彼を捉え、この髪は、瞳は、唇はあなたの愛したマノンではないの? と迫る場面は、必ず彼を落とすことができるという自信があればこそで、自分の魅力を持ってすれば自分の願いは必ず叶うと信じて疑っていない。こういうところがまさに魔性の女。
これまでに観た「マノン」でも「マノン・レスコー」でも、マノン自身がメインでデ・グリューはただ彼女に振り回されているだけのお金持ちのお坊ちゃんという印象だったのに、その役をファン・ディエゴ・フローレスが演じるとこうも違うのねぇ。素晴らしかった。
まだ若いヴィットリオ・グリゴーロもこれから歳を重ねてやがてはフローレスのように… と思いながら二人の年齢を調べてみたら、フローレス46歳、グリゴーロ42歳で4つしか違わなかった。グリゴーロってまだ30代だとばかり思ってた!
OTTAVA.TV では、ライブ配信のスタート時から72時間、いつでも自由に視聴することができ、忙しくて時間がなくても何度かに分けて観ることもできる、とされているのだけれど、毎回つい一気に最後まで観ちゃうなぁ。フリーランスだからできることだけど (^^ゞ
「マノン」を観ながらチクチクし、くるみブローチがひとつできた。でも柄がちょっとイマイチかしらねぇ。