まるぶろぐ

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2本立て

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OTTAVA.TV で配信されるウィーン国立歌劇場のオペラ公演。マスネの「ウェルテル」とヴェルディの「マクベス」の配信が相次いでスタートしているので、文化の日の今日は出かける予定がないので自宅にこもり、贅沢な2本立て。

まず「ウェルテル」は、ゲーテの「若きウェルテルの悩み」をもとにした作品で、MET版ではヨナス・カウフマンが演じたタイトルロールをMETでもおなじみのヴィットーリオ・グリゴーロ。彼が「ラ・ボエーム」に出演した際の写真をベースに油絵を描いたこともあるので、グリゴーロに対しては思い入れが強い。ウェルテルが恋する女性シャルロットはエレーナ・マクシモワ、親が決めた彼女の婚約者アルベールはアドリアン・エレート。ウェルテルはシャルロットに一目惚れをし、その一途さにシャルロットも心が揺れるが、亡き母の言葉に従いアルベールと結婚。その後もウェルテルはシャルロットへの想いを断ち切ることができず、とうとう自ら命を断ってしまう。胸に秘めておけない彼女への想いを切々と歌い上げるグリゴーロの歌声にうっとり。苦悩する役を演じきったあとのカーテンコールではじける彼の笑顔がまたたまらない。

ひとやすみして、2本目のマクベス。タイトルロールを演じるのはプラシド・ドミンゴ。年齢をまったく感じさせない歌声もさることながら、その存在感がもう素晴らしすぎる。佇まいといい表情といい、オーラが出まくりで、目が離せない。さすがだなぁ。マクベス以上に野心的な夫人を演じるタチアナ・セルジャンも、眼力(めぢから)が強くて、表情がとても魅力的。

「女が産んだ者に殺されることはない」という予言を信じていたマクベス。だからこそ自ら剣をとってマクダフと対峙する。ところがマクダフは帝王切開で生まれたので、この予言には該当しないという解釈が毎回すごいと思うのよねぇ。

カーテンコールでのドミンゴに対する熱狂的な喝采。セクハラ問題でドミンゴを起用しないと決定している歌劇場がある中、鳴り止まない拍手の嵐に包まれ、嬉しかっただろうなぁ。METのライブビューイングももうすぐ新シーズンが始まるものの、ドミンゴが出演することはないので、ウィーン国立歌劇場に感謝。

写真は、ほぼ日手帳の今日のページ (^^)