まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

ランメルモールのルチア/整経

Twitterのタイムラインに感想が流れてこなければ忘れたままだったかもしれないMETライブビューイングの「ランメルモールのルチア」。現代に舞台を移した演出が話題で楽しみにしていたのに、どうして忘れていたかなぁ。バタバタと慌ただしい日々だったからねぇ。

13時半からの回を予約し、東銀座の東劇へ。オリジナルは貴族階級の物語で、没落しかけた家を守るため、兄が妹に恋人がいることを承知の上で彼と別れ富豪と結婚するよう迫る。この人間関係の構造はそのままに、現代のアメリカ、ラストベルト(さびついた工業地帯)と呼ばれる地域で、兄は犯罪組織を率いるヤク中で、資金切れの組織とそのリーダーとしての自分のメンツを守るために妹を金持ちと結婚させようとする。兄は顔や首筋がタトゥーで埋まり、ルチアも派手なレギンスにショート丈のグレーのパーカー、Tシャツも短くおへそが見えるファッション。

恋人が別の女性に心変わりしたと兄に思い込まされ、結婚証明書に渋々署名したところへ恋人が現れ、誓いを破ったと責められ絶望した挙げ句、花婿を殺してしまい狂乱の場に至る。その流れは原作と同じなのだけれど、今回のルチアはもうとんでもない血みどろで、モーテルのベッドに横たわる花婿の亡骸も血まみれ。普段の演出だと純白のウェディングドレスに赤い血の色が少し飛んでいるだけで十分にインパクトがあるのに、ルチアの顔はアイラインが流れて目の周りが真っ黒だし、それ以外の素肌がほとんど見えないぐらいに顔全体、ウェディングドレスも身体の前面はもう白い部分がないぐらいに全体がもう血で真っ赤。そこまでしなくても、と言いたくなるぐらいにスプラッター

そのままの格好でカーテンコールに登場し、大きな口を開けて陽気に笑うネイディーン・シエラ。兄のエンリーコをアルトゥール・ルチンスキー、ルチアの恋人エルガルドをハビエル・カマレナ。

映像を駆使し、ルチアとエルガルドのラブラブな画面やヒストリカルな映像に加え、舞台上にカメラマンが上がり、ライブ映像としてのルチアの表情がアップで映し出されたりする。

原作の設定を大きく変える演出は、歌詞は変えようがないため、どこかしらにしわ寄せがくることがあり、今回も、ルチアに兄の申し出を受け入れるよう説得する牧師の存在が犯罪組織のリーダーに加担しているように見えてしまうことに違和感があるものの、それ以外は実にすんなり。オリジナルを知らずにこの演出をいきなり観たとしても、作品の魅力は十分に伝わるはず。サイモン・ストーンの演出で、指揮はリッカルド・フリッツァ。

北千住で夕食を取ってから帰ろうかとも思ったけど、17時すぎの終演で、19時からのウィンブルドンが気になり、マルイの食品売場でお惣菜だけ買って帰る。

テニスを観戦しながら手織りの整経。ネットで見つけた4枚綜絖の組織図を見ながら、6羽の筬でネイビー1色で168本。24本で1マスの模様2種類を互い違いに7マス並べる計算。

比較的スムーズに整経が終わり、試し織り。織り図の段数では市松でなく細長い横縞になってしまうので、1マスの段数を2倍ちょっとに増やしてようやく正方形に近くなった。糸の太さが織り図の設定とは違うんだろうなぁ。やけに細かい柄になってしまい、イメージと違う…。