今日のウィーン国立歌劇場は、通し番号103となる「テンペスト」。シェイクスピアの原作をトーマス・アデスがオペラ化したもので、MET版をライブビューイングで観ている。ウィーン版もMET版と同じロベール・ルパージュの演出で、どちらも英語での上演。
アドリアン・エロートのプロスペロ、その娘ミランダをアラベラでは母親役だったステファニー・ハウツィール、アラベラに夢中なマッテオを演じていたヘルベルト・リッパートもナポリ王として出演。トーマス・エベンシュタインのキャリバン、ソリン・コリバンのゴンザーロ、ジェイソン・ブリッジスのアントーニオ他の配役で、風の精エアリアルには、MET版でも同じ役だっただけでなく、同じトーマス・アデスの「皆殺しの天使」でも歌手の役で超高音を披露していたオードリー・ルーナ。この作品でも終始、超高音。これだけの超高音を出せる他のソプラノ歌手っているのかしら。逆に言うと、彼女が普通のソプラノとして歌っているのを聴いたことがないので、優劣ではなく「個性」というか「特技」と言うべきか。アデスの要求を見事に満たし、魔法がもたらす不可思議な世界観を醸し出すことに大きく貢献している。
字幕はドイツ語と英語の2択で、英語で歌っていても私のヒアリング能力では聞き取りにくい箇所が少なくないので、英語の字幕を活用。1箇所、"shall be" と歌っているのに be が抜けているところがあった。こういうのを見つけると、ちょっと嬉しかったりする(悪趣味)。
「アリオダンテ」や「ばらの騎士」ではズボン役、「パッチワーク」ではシングルマザー、「アラベラ」では貴族階級の夫人と役柄が幅広いハウツィール。今回のミランダが一番セクシーだった。
MET版と見比べてみたかったんだけど、METライブビューイングの2012-13シーズンの12作品のうち、「テンペスト」だけ録画できていなかった。ネットにアップされている画像を見る限り、装置もほぼ同じみたい。プロスペロの入れ墨は、MET版のサイモン・キーンリーサイドのほうが精緻だったけど。
今日はお花じゃなく葉っぱの写真 (^^)