OTTAVA がウィーン国立歌劇場と提携し、現地で上演されるオペラを生で動画配信するというニュースに驚いたのはつい最近のこと。その最初の作品「リゴレット」は、OTTAVA に登録して ID を取得すれば、5月10日の午前1時半から13日の同じ時刻までの72時間にわたり、いつでも自由に無料で視聴することができる。
でも明日も明後日も外出の予定があり、時間が取れるかどうか分からないので、せっかくだから生で観ることにした。
パソコンでの視聴なので、翻訳の作業がしやすいように大画面のデスクトップを選んだのがこんな場面でラッキーを呼んでくれるとは。
深夜なので音量を上げるわけにいかないので、ヘッドホンを、と思ったのに、いくら探しても見つからない。耳鳴りのせいでヘッドホンやイヤホンはなるべく使わないようにと言われたから、あちこち片付けたときに処分しちゃったのかなぁ。仕方なくイヤホンで聴くしかなくて、イヤホンのコードが短いものだから、パソコンが置いてある机の前に手織用の机を置くとコードが届かないので、手織りはあきらめ、ニャンドゥティをチクチクしながらオペラを鑑賞するという、贅沢なひととき。
METのライブビューイングで観た「リゴレット」は1960年代のラスベガスに設定を変えたものだったので、16世紀の貴族社会という本来の設定で観ることができ、衣装も装置も、もちろんウィーンフィルの演奏もキャストの歌唱も素晴らしく、休憩をはさんで4時45分まで、まったく長いと感じなかった。
リゴレットの娘ジルダが恋をしたのは女たらしの公爵。自分も遊ばれただけだと分かっていながら、そんな男のために命を捨てる気にどうしてなっちゃうのかしらねぇ。
日本語での字幕が表示されるのは舞台中継のみで、様々な関係者のトークの部分は、生でなく編集らしいのに、ごく一部のみ英語の字幕が出るだけで、ほとんどが字幕なし。英語ならそれなりに分かるけど、ドイツ語はねぇ。METのライブビューイングはインタビューも全部、字幕ついてるのに。
休憩中に映し出される歌劇場の装飾も素晴らしい。ただ、開演を知らせる音がデジタルなアラームみたいなのが意外だった。もっと情緒のある音にすればいいのに。あとね、まもなく休憩が終わります、と表示されてからが長い長い。むしろそんな表示しないほうがいいんじゃ、と思うぐらい。
それにしても、ウィーンの舞台を生で、自宅で観ることができちゃうなんて、贅沢よねぇ。もちろんずっと無料ではなく、次回作からは1公演 1,650円。72時間以内なら何度でも繰り返し、好きなところだけ観ることもできるから、とってもお手頃。
次回作の日までにヘッドホン、買ってこようっと。