まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

歌舞伎座 團菊祭 夜の部

夜の部の幕開けは、改元にちなみ、昭和天皇御即位の大礼を記念して作られた箏曲の舞踊「鶴寿千歳(かくじゅせんざい)」。新しい御代を寿ぎ舞い踊る宮中の人々のうち、松緑の大臣と時蔵の女御が雄鶴雌鶴に姿を変え、萬歳楽(まんざいらく)を奏でる。おめでたい一幕。

宮崎駿監督による原画をもとにした祝幕が引かれ、菊之助の長男和史くんが丑之助としての初舞台。

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錚々たる顔ぶれが総出で小さな役者の新たな一歩を祝う。初御目見得の際、花道で転んでしまったのがショックだったのか、その後は歩こうとせずにパパに抱かれ、たくさん練習したはずの挨拶もできずじまいだったのが嘘のように、台詞はハッキリとして明瞭だし、立ち廻りもしっかりこなし、抱きかかえられた状態でも手の指が先までピンと伸びていて、立派だった。その後ろでは、菊五郎吉右衛門という二人の人間国宝がすっかり優しいお祖父ちゃんの顔で終始、目を細めているのがなんとも言えない。こちらも思わず笑顔になっちゃう。

花道を引っ込む途中で疲れたと言って座り込み、パパの弁慶に「馬になれ」と命じて肩車されて帰っていく。なんとも可愛らしい。

次の幕は「京鹿子娘道成寺」で、さっきまで勇ましい弁慶だった菊之助が美女に変身。まだ小さい息子の舞台を見守るのは相当緊張するらしいのに、その直後に気持ちを切り替え、1時間余りの大曲をひとりで踊り抜くのだから、大変なことよねぇ。

踊り、お祝い、また踊りと続いた夜の部の最後に「御所五郎蔵」。菊五郎の五郎蔵に左團次さんの土右衛門かと思いきや、松也の五郎蔵、彦三郎の土右衛門、梅枝の皐月、右近の逢洲と、二世代ぐらい若返った。最初はちょっと残念に思ったんだけど、考えてみると、この世代って各々の役の実年齢に近いんだよね。そのせいか、ただ新鮮なだけじゃなく、リアルな生々しさがあって、意外なほど良かった。それにこの配役、みんな姿も声もいいから、目にも耳にも心地よい。

明日は昼の部。しっかり寝ておかないと (^^ゞ