クリスマスだけど、純日本的な歌舞伎座へ。十二月大歌舞伎の昼の部。千秋楽の前日。
毎月ルーティンのようにチケットを取り、その時点では演目をチェックするのだけれど、観に行く日にはあえて確認せず、東銀座に着いても演目の掲示を見ないようにして席につき、幕が開いたときの舞台装置から演目を当てる「イントロ・ドン」のような楽しみ方をしているこの頃。今日の最初の舞台は武家屋敷で、左右にそれぞれ小部屋があり、中央には花をたくさん描いた華麗な襖。ということは…登場するのは花作りの蓑作かな? ピンポーン♪ 松也の蓑作、七之助の八重垣姫、児太郎の濡衣による「本朝廿四考」の「十種香」。謙信の右近に、亀三郎・亀寿兄弟の六郎・小文治。声がよく通る人がそろった。ずいぶんと若返った舞台のように感じるけれど、史実では謙信は40代の終わりに没していて、右近はすでに50代。姫にしたって七之助はすでに30代だから、若すぎるはずはない。それでもやっぱり、もっと上の世代での顔合わせで観てきた作品だけに、世代交代が進みつつあることが如実に表われているようで、寂しく感じたのだった。
一転して、終始ほんわかとユーモラスな木下順二作「赤い陣羽織」。門之助と児太郎が仲の良い夫婦を演じ、その妻に横恋慕する代官を中車、その奥方を吉弥が演じる。代官の子分は亀寿で、荒五郎の庄屋と一緒に右往左往。中車、亀寿、荒五郎の三人が一階の客席を走り回り、児太郎も三階席に現れ、大いに盛り上がった。門之助のおじじがあったかくて良かったわー。
最後は「積恋雪関扉(つもるこいゆきのせきのと)」。松緑の黒主が、夜の部の鱶七と同様に古風で良かった。七之助の小町、松也の宗貞。そして傾城薄墨実は小町桜の精を玉三郎。今年最後の歌舞伎が大和屋の美しい舞台で、しあわせ♪
終演後、銀座から丸ノ内線で新宿三丁目に出て、世界堂へ。予定よりだいぶ遅れて額装が終わった絵を受け取りに。「オイルライナー、濃い方のベージュにして正解でしたね!」と担当さん。オイルライナーというのは額の外枠とキャンバスとの中間に入る余白のような部分で、濃い目にしたことで全体が引き締まり、絵の背景ともしっくり調和していて、とってもいい感じ。嬉しいなぁ。額を壁に吊るための金具も購入し、担当さんに感謝して1階に降りたら、隅っこの陰になってる小さなラックにムーミングッズが! それがまた、見たことのないグッズばかりでビックリ。いくつか厳選してレジへ…と思ったら、最後尾までなかなかたどり着かないぐらい長い列ができていて、またビックリ。
帰りにアリオの手芸店に寄り、取り寄せてもらったモヘア糸のもう1玉を受け取り、今日の予定は終了。
帰宅後、全日本フィギュアの男子ショートプログラム。連戦の疲れもあるのか、羽生くんは転倒もあったけれど、それでも100点を超えちゃうんだものねぇ。その高得点に約5点差と迫った昌磨くんもすごい。そしてそして、3位の無良くん、4位の村上大介くんに続いて、小塚くんが5位に入ったことも嬉しい!