まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

歌舞伎座の甘い誘惑

maru992008-04-25

昼の部に続いて夜の部もしっかり起きていられるように、と再び睡眠重視で昼すぎまで爆睡。あれやこれやとバタバタしているうちに、あっというまに家を出る時間。


千秋楽なのに誰にも会わないなんてめずらしいなぁ、と思った時点でもう勘違い。千秋楽の土曜日は油絵の教室とバッティングしてしまいそうなので1日早くしたのだった。たいてい誰かしらいるのに、まったく誰にも会わないとなると、なんとなく寂しい。


最初の幕は、明治維新の波にもまれる徳川慶喜を描く 『将軍、江戸を去る』。何度か観たことがあるものの、それほど印象に残っていなかったのに、今回はすごくよかった。真山青果作品ならではの台詞の応酬による緊迫感にゾクゾクしながら、慶喜に扮する三津五郎の台詞に酔い、慶喜が沈思する場面で薄暮の中を桜の花びらがはらはらと舞う、その絶妙なタイミング。いやぁ、久々のカタルシス。気持ちよかったぁ。慶喜に苦渋の選択を進言する役に橋之助。やっぱりこの人は、勝頼よりこっちよね。「日本のための日本は終わり、世界の中の日本が誕生しようとしている」 と慶喜は言う。世界の中の日本として発展してきたはずのこの国は今…。


続く 『勧進帳』 は、仁左衛門の弁慶に勘三郎の富樫、玉三郎義経という顔合わせ。いつもは延年の舞の前後で意識を失いがちなのに、今月は睡魔がどこかに影をひそめ、最初から最後まで両眼パッチリ。正直、この演目をずっと寝ないでしっかり観たのってすごく久しぶりなような…。(失礼な客だよね) 仁左衛門の弁慶は、年を重ねてますますステキになってきた♪


最後の 『浮かれ心中』 は、まぁ、ひとつぐらいはいいか、みたいなオマケ的な認識だった。このところ、中村屋のこの路線がどうも素直に受け入れられなくなっていたので…。それが今回は、不思議なぐらい抵抗がなく、十分に楽しめた。前回は福助が二役とも演じた女房おすずと遊女箒木をそれぞれ時蔵七之助が担当。それだけで芝居の雰囲気がガラリと変わる。小山三さんのお元気そうなお姿がうれしい。花魁道中の付添役の左升さんに、中村屋が 「若いねぇ。80には見えないよ」 って。本当にねぇ。梅枝クンもよいわぁ。すごく充実していた今月の芝居の最後をにぎやかにしめくくる極上のデザートでありました。


コーヒーが飲みたくて仕方がなかったのでスタバに寄り、帰宅したのは11時近く。それからケーキを焼く。ABCクッキングスタジオのショップで購入したフルキット。粉類もすでに計量済みで、卵と牛乳とサラダ油だけ用意すれば、あっという間にできちゃう。ホワイトチョコとイチゴのシフォンケーキで、チョコはチップ状、イチゴはフリーズドライの顆粒状。ちょっと手抜きすぎるかなぁ。まぁ、いいか。


お風呂でのんびりしたら、もうとっくに日付が変わってしまい、ちょっとでも仕事しようかどうしようか迷ったけど、急に眠くなってきてしまったので、あえなくリタイヤ。芝居の余韻を楽しみながらベッドへ〜。