まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

東劇から越前屋へ

朝から東銀座の東劇へ。メトロポリタン・オペラのライブビューイング。歌舞伎座の昼の部と同じ11時から上映される新シリーズの2作目は「マルコムX」。ジャズなども取り入れた新作で、史実に基づく意義のある作品なのは分かるのだけれど、正直なところ個人的にそれほど興味を惹かれる題材ではないこともあり、大きく心を動かされることなく終わってしまった。もちろんキャストの歌唱は素晴らしいし、ダンスシーンなど印象的な場面もあり、ハマる人にはハマるのだろうと思う。残念ながら私はそうじゃなかった。単に好みの問題。いつかテレビで放送されて、あらためて観る機会があれば、また違う感想を抱くかもしれない。

15時ちょっと前に東劇を出て、有楽町まで歩き、東京駅まで1駅だけ電車で移動し、八重洲口を出て越前屋へ。久しぶりの来店なので、入り口の写真も撮ってみた。2階にずらりと並ぶたくさんの刺繍糸の中から、普段ニャンドゥティに使っているDMCの8番より若干細い12番の糸を探す。多くの刺繍糸が束ねた状態で販売されているのに対し、DMCの糸は玉なので扱いやすく、売場でも探しやすい。8番より色数が少ない中から寒色系を選び、厳選して12個。1玉300円のところ、10玉でちょっと割引。ネットでも買えるんだけど、12番は初めてだから実際の色味を見たかったし、近くまで来るついでもあったしね。

そのまま帰るつもりだったのに途中でお腹が空いてしまい、サイゼリヤでラムと野菜のグリル。食後に図書館で借りた小林由香さんの「ジャッジメント」を読み終えた。殺人の刑罰として、被害者の遺族その他の関係者による復讐を認める「復讐法」が施行され、その復讐を見届ける「応報監察官」が主人公の物語。ただ復讐するのではなく、被害者が受けた仕打ちと同じ仕打ちで執行しなければならないというのがミソ。復讐する権利を認められた関係者は、復讐ではなく、通常の刑法による刑罰を選ぶこともできる。自分だったら、と考えたとき、どのような方法であれ、復讐法のもとでの合法的な行為ではあっても殺人には違いなく、加害者を刺すなりなんなり、行為をした瞬間の感触やビジュアルがいつまでも残り、結果的により苦しむことになるんじゃないだろうか。応報監察官という仕事も絞首刑に携わる刑務官と同等かそれ以上に心身を削られるに違いない。また、もし私が殺されたとしたら、遺族その他の関係者として復讐する権利を認められる人が存在するのか? と思ったり。面白かったので、同じ著者の別の本を図書館に予約。

帰宅後、林田さんの OTTAVA Andante をオンデマンドで聴きながら英訳の続き。3時間ほどの作業でひととおり終わり、あとは印刷して見直しするだけ、と思ったのに、そう簡単にはいかなかった。前回と同じ書式で、書式の変更は一切していない。ただ和文を今回の英文に合わせて上書きしただけ。それなのに、印刷すると前回よりはるかに文字が小さくなってしまい、調べてみたら、前回は縮小率が88%だったのに、50%ちょっとまで縮小されてしまっている。縮小率を指定することはできないから、フォントサイズを大きくしてみたんだけど、それでも前回よりだいぶ小さい。あれこれと試行錯誤の末に、これならなんとか、という状態まで修正を終え、保存。これで完了、と思いきや、保存したファイルを再び開くと、ファイルの修復が必要だというエラー表示。一定の要素を無視して開くという選択肢もあり、無視して開くこともできるんだけど、そんな状態のファイルをそのまま納品するわけにはいかない。これだからエクセルって嫌い。そもそも表計算ソフトなんだから、計算の要素が一切なく、1つのセルに何行にもわたる長文が並ぶ書類をエクセルで作る必要ないと思うのよね。クライアントが作った書類をアップデートするのが今回の依頼だから仕方ないんだけど。

ネットで同じエラーに関する解決法を調べ、試してみたものの、1つの原因が解決されてもまた別の原因が表示され、要修復のままで埒が明かない。仕方がないので前回のファイルをコピーして別ファイルを作り、今回の英訳をコピペする形で全体を整え、保存したところ、要修復のエラーは出なかったけど、フォントサイズの問題は解決には至らず、前回よりは小さいものの、読みにくいほどではないので妥協するしかなかった。エクセルに負けたようで悔しい。

この修復に要した時間は翻訳とは無関係だから、チャージできない。翻訳の所要時間と同じぐらいかかってしまったけれど、こればかりは仕方がない。やっぱりエクセルなんて大嫌いだぁ! (単に私が使いこなせていないだけかもしれないけど)