まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

合同公演

足の遅い台風の影響が心配されていたものの、幸いすでに通り過ぎ、雨の心配がなくなったどころかギンギンに日差しが強い中を国立劇場へ。稚魚の会・歌舞伎会の合同公演は小劇場。つい数日前、大劇場のガラス戸に車が突っ込んだという報道があったので、気になって大劇場のほうまで行ってみたところ、出入り口よりずっと先、一番奥のガラス戸の当たりにブルーシートが張られていた。どうしてこんな場所に車が? 大事に至らなかったのが何より。

合同公演も今年で29回目。国立劇場の改築が始まる前に30周年をお祝いできたらよかったのに。来年以降もどこかで開催されるといいなぁ。今の国立劇場での公演は10月までなのに9月も10月も今のところ観に行く予定がないので、小劇場の写真だけだけど一応撮ってみた。

開演前にスマホに着信。実はもう1か月以上、仕事が途切れていたところに、久しぶりの見積もり依頼。でも添付ファイルを開いてみたら細かくて全体像が把握しにくいので、帰宅後にあらためて返信することで了解をもらった。

合同公演のチケットは、稚魚の会を応援する「友の会」に毎年お願いしていて、今回は申込みが少し遅れてしまったせいか、初めて花道外の席だった。でも花道のすぐ近くで、そこを通る役者の向こう側から照明が当たって逆光になるのがいつもと違う見え方で新鮮。

幕開きは、坂東彌光さん、市川米十郎さん、中村蝶也さんによる「廓三番叟」。傾城と新造、太鼓持ちの踊りで華やか。

続いて「菅原伝授手習鑑」より「車引」と「賀の祝」。合同公演ではおなじみの演目。前者では、花道から出る梅王丸の歩き方にあまり力強さがなかったのが気になったけれど、本舞台にかかってからは武張った感じがよく出ていた。杉王丸の決まりの見得は、ちょっと棒立ちになりすぎだったかな。貫禄が要求される時平の役に先輩の吉兵衛さんが出たことで舞台が締まっていた。

「賀の祝」は老け役を若手がやるとどうしても不自然になってしまうのだけれど、今回は、新十郎さんの松王丸、嶋之丞さんの千代とともに新蔵さんが白太夫で賛助出演されたのでまったく違和感がない。それ以外は本来の若手たちが演じ、若い分、八重の振袖姿が際立っていて、型として振袖を着ることになっているのだけれど、どうしてそうなったのかなぁ、と今さらながらに考えてしまった。前半で桜丸・八重夫婦が菅丞相の娘と親王の恋の仲立ちをする「加茂堤」では、普通に既婚の女性の拵えなのに、夫が切腹をするという大事な場面でなぜか振袖なのよね。しかも松、梅、桜の三兄弟は三つ子という設定で、その父親の白太夫は七十歳の賀の祝い。このあとの「寺子屋」に登場する松王丸の倅小太郎は8歳。この三兄弟とその妻たちは一体いくつの設定なのか、と磯野家の不思議のようなことを考えながら観ていた。

最後の「連獅子」は、尾上音蔵さん・音幸さんの狂言師左近(親獅子)・右近(仔獅子)に市川河松さんと中村蝶也さんの間狂言。前シテは凛々しく端正で、軽妙な間狂言を挟み、後シテの毛振りは、音蔵さんは腰で、音幸さんは首で回しているように見え、毛の流れが揃っていたのは最初の数回だけだったので音蔵さんのほうだけ数えていたら、途中で客席から拍手が起こり、どんどん大きくなっていっても止まることなく、70回をゆうに超え、おそらく75回前後。若さだなぁ。

諸先輩方が観に来ることも多いこの公演。彌十郎さんも弟子の活躍を観に行ったとブログに綴っていらした。今日お見かけしたのは中村芝のぶさん。遠目に見てもお肌ピカピカ。

ケーキ材料を買って帰り、帰宅後に見積もりの返信をしてから、ドライいちじくとナッツのクリームチーズケーキを焼く。特に室温に戻す時間をかけなくても、クリームチーズはアルミの包装から固形のまま取り出すのが難しいほど柔らかくなっていて、1箱200gで必要なのは300g(レシピの倍量)だから1箱半で良かったのに、100gだけ測って残すのがもう大変そうだから、400gをそのまま入れてしまった。本来なら他の材料の分量も計算し直すべきなんだけど、倍量で卵4個を3分の4倍にするのは無理だから、ええい、目をつぶろう、と他の材料はレシピ通りの分量のまま。型も、指定の12cm丸型は小さすぎるので、15cmの丸型とパウンドケーキ型を使い、本来より薄くなるのを承知の上で焼くという大雑把ぶり。それでも、いい感じの焼き上がり。

粗熱が取れたところで冷蔵庫へ。美味しくできているといいなぁ。