昨日はウィーン国立歌劇場の無料配信。そして今日は東劇でメトロポリタン・オペラのライブビューイング。黒人コラムニスト、チャールズ・M・ブローの自伝をもとに、ジャズや映画音楽の分野で活躍する黒人作曲家テレンス・ブランチャードが音楽を手掛けた作品で、黒人ばかりのキャストで話題を読んだ前シーズンの「ポーギーとベス」と同じコンビが演出を担当。「ポーギーとベス」も作曲はガーシュインだったから、黒人作曲家の作品がMETで上演されるのは今作が初めて。それはそれで画期的と言うべきなのかもしれないけれど、むしろそんな肌の色による区別なんかなくなるほうが望ましいよね。
幼少時に従兄弟から性的虐待を受けた青年が主人公で、セクハラ問題でレヴァインを解雇したMETがレヴァインの死後1年経たないうちにこうした作品を上演するというのがなんとも。
主人公の「運命」と「孤独」が擬人化され、その両方を演じるエンジェル・ブルーが後半では主人公の恋人も演じる。この演出がとても効果的だった。
主人公の幼少時を演じる少年が素晴らしく、彼はこのあとミュージカルでマイケル・ジャクソンの幼少時を演じるそうな。カーテンコールでひときわ大きな喝采を受け、驚き、涙し、幕が閉まった後も涙が止まらず、長身のエンジェル・ブルーが小さな彼と目線が合うようにかがんで彼を抱きしめていた。
主人公が大学に進学し、フラタニティ(社交クラブ)に入会するためにしごきを受ける場面があり、実在するクラブの会長がインタビューで「体罰は認めていない」と話していた。原作者の年齢からして30年以上前の話だから、当時はあったんだろうな。
性的虐待によるトラウマから復讐に走ってしまうのか。もしそうなら後味が悪かったかもしれない。彼はそのトラウマを乗り越え、愛する母のもとへ帰っていく。そのラストがとてもよかった。ダンスシーンも圧巻。
東銀座の駅へ戻るのに歌舞伎座地下の木挽町広場に降りたら、豪華なお雛様が飾られていたので思わず写真を1枚。そのあと北千住で途中下車して、マルイの中にある「青葉」というお店で牛タンとハラミとタンシチューのセット。麦とろご飯も美味しかった。ドリンクはたくさんある中からリンゴ酢ジュースをチョイス。
20時半頃に帰宅し、まだ録画中の全豪オープン男子シングルスの決勝戦を約3時間遅れで観始める。メドベージェフが2セット連取し、もともとナダルへの声援のほうが大きかった客席がますますヒートアップし、メドベージェフが気の毒になるような状況で、ナダルが2セットを取り返し、今大会最長の5時間超えの死闘を制したのはナダル! いやぁもう、すごいのすごくないのって、すごいんだもの。応援がナダルに傾いてしまうのは、メドベージェフが審判に声を荒げたりしたせいもあるけど、それ以上に、ナダルがこれまでのキャリアで築き上げてきた成果ゆえなんだから、仕方ないよねぇ。いくつもの試合をこなしてきて、最後の最後に5時間も戦い続けることができる体力と精神力。しかもナダルは怪我から復帰したばかりなのよね。まさに鉄人! 股関節の手術をしてリハビリ中の圭くんにもいい刺激になったんじゃないかなぁ。
先に結果が分かってしまわないようにパソコンを封印していたので、試合後に Twitter にアクセスしてみたら、ナダルへの祝福があふれる中、テニス関係者だけじゃなくプラシド・ドミンゴも写真入りで祝福していた。
表彰式まで観終えた時点ですでに午前2時半。それからお風呂にゆっくりつかり、試合の興奮をクールダウン。もしジョコビッチが出場していたら、どんな結果になっていたかしらねぇ。