無事に仕事が片付いたので、心置きなく東劇へ。でもその前に、ベックスでシンガポール・ラクサ風スープの30品目プレート。スープが結構ピリ辛なのに、サラダのドレッシングも辛め。でも最後にマンゴーのデザートで中和してくれる。
メトロポリタン・オペラのライブビューイング。「ポーギーとベス」に続くワーグナーの「さまよえるオランダ人」はシーズン8作め。ライブビューイングの収録を予定していた公演が感染防止のために中止となってしまったため、その直前の公演ということでインタビューの映像はなく、幕間もなしの約2時間半。
ワレリー・ゲルギエフ指揮、フランソワ・ジラールの演出で、タイトルロールの無名のオランダ人を演じるエフゲニー・ニキーティンは、ウィーン国立歌劇場「フィデリオ」のピツァロ役だったので覚えていた。神罰で海を彷徨い、7年に一度だけ上陸を許され、彼に永遠の真心を捧げる女性と出会うことでのみ呪いが解かれる。その運命の女性ゼンタをMETデビューのアニヤ・カンペ、彼女を愛するエリックをセルゲイ・スコロホドフ、彼女の父親である船長をフランツ=ヨーゼフ・ゼーリヒ、彼女の乳母マリーを藤村実穂子さん!
呪いが解かれることで幽霊船は沈没し、オランダ人は死ぬことを許され、ゼンタは彼と運命をともにする。彼を愛することは自らの死を意味すると分かっていながら、彼を救済することに喜びを感じる、その喜びを爆発させるカンペの表情が胸を打つ。場面転換もほとんどなく、岩盤と大きな船の模型だけのシンプルな装置ながら、背景の映像が素晴らしい。天井から何本もロープが降りてきて、それを女たちが操り手作業をしながら歌う場面で、ロープが手織の糸のように幾何学的に絡み合い、美しかった。合唱も良かったなぁ。マリーの歌声をもっと聴かせてほしかった。
今シーズンは本来あと2作品あるはずだったんだけど、残念ながら公開中止。いつかWOWOWかプレミアムシアターで放送されるかなぁ。
東銀座駅の地下の木挽町広場で、「ねこ展アート&グッズフェア」を開催中。歌舞伎座の客席が猫でいっぱい。舞台上で踊る姿もかわいらしい。
帰りに北千住でスタバに寄り、2度めのコールドブリュー フローズンレモネードを楽しみながら、買ったのに未読のまま忘れていた宮部さんの文庫「過ぎ去りし王国の城」を読み始める。おもしろーい!
無理やり切り上げ、帰宅しようとして、最寄り駅まで着いたらやっぱり続きが気になって、コメダ珈琲で続きを読み進める。もう一気に最後まで読んじゃいそうになったけど、1日で読み終えてしまうのはもったいないような気がして、大詰めだけを残して帰宅。なんだろうね、この「もったいない」という感覚。