まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

マノン

OTTAVA.TV で配信されるウィーン国立歌劇場の公演だけでなく、メトロポリタン・オペラのライブビューイングも始まっているので、スケジュール管理が大変。

トゥーランドット」で新シーズンの幕を開けたライブビューイングの第2作は、マスネの「マノン」。リセット・オロペーサのタイトルロールは現地でも絶賛されたようなのだけれど、私が思い描くマノンのイメージとは少し違っていて、その違和感が最後まで拭えなかった。小悪魔的ではあるのだけれど、例えば社交界の場で、居並ぶ女達がかすんでしまうような圧倒的な存在感はなく、一度は自分から捨てた男に復縁を迫る場面でも、自分は今も愛されているという確信のもとに彼を絡め取っていく妖艶さが足りないように思った。もちろん歌唱は文句なしに素晴らしいんだけども。

最後までマノンへの愛を貫くデ・グリューをマイケル・ファビアーノ。その父親をクワン・チュル・ユン。いずれも好演。マノンの従兄弟のレスコーを演じるアルトゥール・ルチンスキーが幕間のインタビューで、ベルディやプッチーニのオペラは比較的自由に歌えるのに対し、マスネは譜面通りに歌わないといけないとか、フランス語は子音が多いのが難しく、イタリア語のほうが歌いやすいとか、具体的な話をしていて面白かった。客席からは姿が見えないプロンプターへのインタビューも珍しく、興味深かった。

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帰宅後、1日限りで上演され、1週間限定でネットで配信されている海老蔵の「スターウォーズ歌舞伎」を観る。勸玄くんも、ロボットみたいなキャラクターも登場。映画のスターウォーズをまったく観ていないのでよく分からないのだけれども、ヒーローと敵役の両方を二役で演じ、早替りと立廻りをしっかり見せて、歌舞伎を観たことがない人にもエッセンスは伝わったかな。