この日付の分かるディスプレイがいつもの場所に見当たらず、木挽町広場を歩き回って探した。だいぶ奥まったところに移動されていた。
第二部は15時から17時40分まで、20分の休憩をはさみ通しで「東海道中膝栗毛」。おなじみの弥次喜多道中も4年めで、去年ふたりとも死んじゃって最後は天国への宙乗りだったのに、その続編だから、天国で悪さをして地上に送り返されてくるのか、はたまた夢オチか … と予想をしていたら、後者が当たり。しかも舞台全面を覆う大きなスクリーンに過去3年分のダイジェスト映像が流れ、そのすべてが夢だったという思い切ったスタート。そうくるかぁ。
歌舞伎はもともと何でもありなんだけど、旅先で泊めてもらった親分の女房がお富で、その恋人が与三郎と「与話情浮名横櫛」の世界かと思いきや、二人の痴話喧嘩から「女殺油地獄」をもじり、油じゃなく「とろろ」で大勢が滑りまくる。他にも、團子・染五郎の二人が旅芸人の一座で「一谷嫩軍記」の「組討」の場面を演じたり、と他の演目のエッセンスが織り込まれているので、ある程度、歌舞伎に詳しいほうが楽しめるかも。遊びの要素もたっぷりで、七之助が兄の「いだてん」をPRしたり、猿弥は娘義太夫に扮し、器用に唄い上げたかと思えばお茶でうがいをしたり、化粧直しを始めたり。また、中車といえばカマキリで、巨大なカマキリだけじゃなくヒトデ海老も出てきて空中遊泳。それらの着ぐるみが無駄に精巧にできていて笑える。もうね、とにかく出演者たちが楽しそうだから、こっちもつられて笑ってしまう。
ここでも、拵えがこりすぎて分からない人がいて、第一部と同様に舞台写真でチェックしたら、金髪に黒メガネでレースひらひらの女水芸人は笑三郎、女武士の姿で奇声を発する妖しげな猫爪艶之丞は虎之助だった。二人ともすごすぎー!!
大筋としては、弥次喜多の二人とよく似た悪党二人(その名前がなんと獅子戸乱武(トランプ)と黒船風珍(プーチン)って、大丈夫なのか?)が義賊を騙ってあちこちで悪事を重ねていて、幸四郎・猿之助のコンビが早替りで両方を演じながら、大詰めでは本水を大量に使った大滝の立ち回りで勧善懲悪。
二人の珍道中、まだまだ続きそう (^^)