まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

加藤健一事務所 Taking Sides

昨日は下北沢で井の頭線に乗り換えて新代田。今日は下北沢で下車。駅前がだいぶ変わり、新しくできた東口から本多劇場へ。

吉田日出子さんが「星の王子さま」を演じた舞台で初めて加藤健一さんを知り、その翌年の1988年夏の「ザ・シェルター」以来、加藤健一事務所の公演はほぼすべて観てきた。もう30年以上も経ってしまったのねぇ。観客も一緒に歳を重ねてきたので、歌舞伎座以上に若いお客さんが少ないような…。

今回の作品は、ロナルド・ハーウッド作「Taking Sides ~それぞれの旋律~」。劇団民藝による上演は「どちらの側に立つか」と原題の直訳で、2013年には「テイキングサイド~ヒトラーに翻弄された指揮者が裁かれる日~」とやや説明的な邦題が用いられている。

第二次世界大戦後のベルリンを舞台に、非ナチ化政策のもと、指揮者のフルトヴェングラーは、ヒトラーの寵愛を受け、ナチの広告塔として協力していたという嫌疑をかけられており、連合軍取調官のアーノルドは執拗に彼を尋問し、追い詰めていく。アーノルドの部下である中尉と秘書はフルトヴェングラーを敬愛しており、擁護しようとするのに対し、ベルリン・フィルの第二ヴァイオリン奏者ヘルムートは、保身のため、また屈折した思いから、フルトヴェングラーを糾弾するための情報を提供する。緊迫した台詞劇。

いつものハートフルな舞台とは全く違う展開で、特に前半は笑いが起こる場面は一切ない。私の席は前から2列め、正面ブロックの通路から2つめの席だったんだけど、左右とも体格のいい男性に挟まれ、左右両側の肘掛けから腕がはみ出してくるのを我慢しながら観ていたんだけど、特に右側のオジサンは、やたらと動くし、チラシをガサゴソしたりとうるさくて、参ったなぁ、と思っていたら、休憩が終わっても帰ってこなかった。後半のほうが面白かったのにー。正直、ラッキーだったけど (^^ゞ

フルトヴェングラー小林勝也さん、アーノルドが加藤健一さんで、ヘルムートは今井朋彦さん、中尉は西山聖了さん、秘書は加藤忍さん、フルトヴェングラーを敬愛する戦争未亡人を小倉智美さん。

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若き天才カラヤンのほか、様々な作曲家の名前も出てきて、それをスッと理解できるのは日頃 OTTAVA を聴いているおかげ (^^)

面白かったなぁ。秋に予定されている次回作はまた大いに笑えるコメディ路線。それも楽しみ。

帰宅後、斎藤さんの Salone を聴いたあと、「影のない女」をもう一度観てしまった。2回めでもやっぱりすごいー!