10時から4月歌舞伎座の予約。幸い、アクセス集中によるループに入り込むことなく、とてもスムーズに手続完了。
JTBから届く予定のレターパックの追跡をしようとしたのだけれど、まだ発送元の情報だけで、配達時間の指定ができない。もう明後日の出発なのになぁ。
朝から雨だったので、コミュニティバスで隣りの駅へ。そこから小田急直通の千代田線で下北沢へ。本多劇場で、加藤健一事務所の第101回公演「ドレッサー」。加藤さん自身が三國連太郎の座長で付人ノーマンを演じたこともあるそうなのだけれど、私の記憶にあるのは、同じく三國連太郎の座長で柄本明がノーマンを演じた回。劇場で見たのか、テレビで見たのかは覚えていない。映画版も見ている。ツイッターのタイムラインに、すでに今回の公演を観た人からの感想が数多く寄せられていたので、私も早く観た〜い! と楽しみにしていた。
加藤さんは座長で、ノーマンを演じるのは花組芝居の加納幸和さん。座長婦人の西山水木さんと舞台監督のマッジを演じる一柳みるさんは、加藤健一事務所ではおなじみ。そのほか石橋徹郎さんのオクセンビー、金子之男さんのジェフリー、岡崎加奈さんのアイリーンという配役で、15分の休憩をはさんで約2時間半の舞台。
とてもとても、と〜っても良かった! 私が加藤さんの舞台を観始めてから、今年でちょうど30年。加藤さんも68歳になり、老け役が多くなっているのは当然なのに、それを寂しく思う気持ちがあって、今回の作品のように舞台上で死んでしまう役はちょっと切ない。それだけに、カーテンコールになって、ベッドの上に横たわっていた座長がむっくりと起き上がって最高の笑顔を見せてくれた瞬間、気持ちがふんわり、ほっこり、温かくなった。
人生を捧げて尽くした老優が最後に遺した周囲の人々への感謝の言葉の中に、自分の名前がないことに絶望するノーマン。自分の全人生を否定されたような思い。老優の立場になってみると、常に自分のそばにいて身の回りのこと一切をしてくれるノーマンはもはや自分の一部であり、空気のような存在だからこそ、あえて名前をあげなくても、気持ちは通じていると勝手に思っていたのかもしれないけれど…。たとえそのノートにノーマンの名前を記さなかったとしても、たったひとことでいいから、ねぎらいの言葉をかけてあげればよかったのにねぇ。
加納さんのノーマン、良かったなぁ。水木さんも、みるさんも。客席の高齢化が年々進んでいるようで、こういう上質な芝居こそ若い人に観てほしいんだけどなぁ、と切実に思う。
やよい軒のサバ一本焼き定食で夕食を済ませて帰宅すると、レターパックの不在票が入っていて、当日受取のための連絡期限はすでに過ぎていた。旅のしおりもまだ届いていない。明日はもう出発前日なのにぃ。