まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

maru992016-09-16

朝から国立劇場へ。久しぶりに文楽を通しで観ようと思ったのは、「一谷嫩軍記」の三段目までの通し上演で、歌舞伎では上演されない場面がいくつかあるから。

いやぁ、観てよかった。この作品に対する長年の不満がやっと解消した。主君の命とはいえ我が子を身代りにその首をはねた熊谷直実が無常を嘆き、武士を捨て、出家をしてひとり旅立ってしまう。同じように我が子を亡くした、しかも夫の手で我が子を殺された母であり妻である女性を置き去りにして。歌舞伎の舞台で、喝采を浴びながら花道を引っ込む熊谷の姿に、妻の相模はどうなるの? と納得がいかなかった。それが今回、文楽で同じ場面を観て、原作の浄瑠璃は違うことを知った。たしかに熊谷は出家を決心するが、その熊谷に相模が寄り添った状態で幕が降り、そのあと夫婦で語り合う時間があったであろうことを思わせる。歌舞伎のほうは、熊谷役者を引き立て、花を持たせるための演出なのだった。

ただ、熊谷の息子小次郎と、熊谷が小次郎を身代りにしてまで助けた敦盛とがどこで入れ替わったのかという疑問は解消されなかった。「陣門」の場で熊谷が戦場から助け出したのは敦盛で、そのあとの「組討」の場で敦盛の首を討つように見せかけて小次郎の首を斬った、と熊谷の台詞で説明されているのだけれど、「陣門」で熊谷が去ったあと、門内から敦盛が走り出て平山を追い立てたことになっている。平山は「陣門」の冒頭で小次郎と直接言葉を交わしているから、敦盛と小次郎を見間違えるはずはない。だとすれば、熊谷が敦盛を助け出したという説明と矛盾してしまう。ううむ。

第一部の終演後、ロビーで OTTAVA のリスナーさんを発見。遠くから手を振ったら気づいてくれて、しばしオシャベリ。彼女はそのあと仕事だと。ご苦労さまですぅ。

第二部の途中でメールが入り、夕べの案件と同じ先生から、さらに別件が追加されてしまった。あうう。

21時半すぎに帰宅し、録画しておいたデビスカップを横目でチラチラ見ながら、夕べの続きの和訳を進める。日本のワールドグループ残留を賭けた対ウクライナ戦。連戦の疲れが残る圭くんをダブルスに回し、シングルスはダニエルと西岡くん。ダニエルがスタコフスキーに、西岡くんはマルチェンコをそれぞれ下し、日本が2−0のリード。素晴らしい!

和訳のほうも順調で、西尾くんの試合の途中で最初の書類が終わった。2つめの書類もちょっとだけ進めて、ペースがつかめたところで今日はオシマイ。