まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

maru992016-10-25

「観る」3連ちゃんの2日めは夜の部なので、ゆっくり起きて、夕べ遅くに BS朝日で放送されていたのを録画しておいたテニスのスイス・インドア、圭くん対ラヨビッチの1回戦を見る。ジャパンオープンを怪我で途中棄権した圭くんの復帰戦。サーフェスにクセがあるみたいで、なかなかタイミングが合わずに第1セットはやや苦戦したものの7−5で取り、第2セットでは6−1と大差をつけてストレート勝ち。調子良さそう♪

早めに家を出て、北千住のスタバで今季初のきのことモツァレラのフィローネで腹ごしらえをしてから、ひとしきり「模倣犯」を読み、時間を見計らって東銀座の歌舞伎座へ。「芸術祭十月大歌舞伎」の夜の部。

幕開きは松緑の「外郎売」で、歌六の工藤、亀三郎の十郎、右近の舞鶴ほか。早口言葉のような台詞が聞き所なので、口跡が滑らかとは言えない松緑にはどうかと思ったけど、意外なくらいに違和感がなく、むしろ滑らかなら良いってものでもないんだなぁ、と思ったりした。

一気に4人の襲名を披露する「口上」。背景の金の襖に黒一色で描かれた龍の絵が今にも動き出しそうに生き生きしていてとても良かった。橋之助は父の名である芝翫を八代目として継ぎ、3人の息子がそれぞれ国夫改め四代目橋之助、宗生改め三代目福之助、宜生改め四代目歌之助。幼い三兄弟の初舞台で、一番小さな宜生くんが両脚を大きく開いて見得を切ろうとして、踏ん張りきれずに足がツツーと広がりすぎてペタンと尻餅をついてしまった、あのときの可愛らしい姿が今も目に残っているのに、あれから早12年。もう15歳になるんだものねぇ。ずっと観続けているこっちも歳をとるはずだわぁ。

口上には藤十郎菊五郎吉右衛門などのお歴々だけでなく親戚筋も列座して、その中に梅玉も。毎日、国立劇場で塩谷判官として切腹してからすぐに歌舞伎座に駆けつけているのねぇ。養父の歌右衛門と先代芝翫とは叔父甥の関係だったし、福之助という名前を名乗っていた時代もあるしね。我當さんが背後から黒子に支えられていて、それでも出演しているのに、新芝翫の兄福助がいまだ療養中でこの場にいないことを寂しく思っていると、息子の児太郎が父もこの襲名をとても喜んでいて、1日も早く復帰するためにリハビリに励んでいると語り、目頭が熱くなった。歌右衛門の襲名が決まっていたのに、病に倒れてしまったんだものねぇ…。と、あれこれ思うところの多い口上だった。

芝翫の披露狂言「熊谷陣屋」がいつもの團十郎型でなく、芝翫型だったのが個人的にはとても良かった。衣装や化粧などの細部の違いは置いといて、何が良いって、先月観た文楽と同じで、熊谷が相模を置き去りにして勝手に出家して花道をひとり去っていくのでなく、最後まで本舞台に全員がいる状態で幕が下りる。熊谷が我が子の首に頬ずりをする場面もあり、我が子をその手で殺さなければならなかった熊谷の心情は十分に伝わってくるのだから、熊谷役者を引き立てるための演出のない芝翫型のほうが絶対良いと思う!

夜の部の最後は華やかに、玉三郎の「藤娘」。見事に可憐な少女に見えて、年齢を感じさせない。さすが。阿古屋の次はこの藤娘を油絵で描こうかしらん、と思ったぐらい。

20時半頃の終演後、再び北千住駅構内のスタバに寄り、「模倣犯」下巻の続きを読みふける。面白さ加速中。

明日は昼の部なので、早めに就寝 (^^)