まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

maru992010-05-27

夕べなぜかまた寝付けなかったので、客席で居眠りしないように無理やり寝続けたせいもあって、ベッドを出たのは午後イチぐらい。

ちょっと早めに出て北千住駅構内のスタバに寄り、ちょうどよさそうな時間に東銀座へ。新橋演舞場での五月大歌舞伎の夜の部。昨日の昼の部より後ろの8列め。

「熊谷陣屋」も4月の歌舞伎座で観たばかり。諸先輩方の舞台をしっかり見て自分たちの演技に生かせという若手への教育の一環なのか? 「寺子屋」同様に若さゆえの物足りなさがある反面、基本に忠実な楷書の良さもある。正直、軍物語にこんなに集中できたのはずいぶん久しぶりな気がした。染五郎の熊谷に七之助の相模、松也の藤の方と声の良い人が揃ったこともあり、耳に心地よい。歌六の弥陀六も丁寧で、気骨も感じられて良かった。義経海老蔵。出るだけで舞台が明るくなるように感じるのは、十五代目羽左衛門もこのようだったのではと思わせる。宗清にかける言葉に温かみがあった。でもこの芝居、どんな配役で観てもラストでどうしても現実的になってしまうのよねぇ。わが子の首をいきなり見せられ、その首を斬らねばならなかったのは他ならぬ夫だというのに、相模はその夫と二人きりで語ることも許されずに、夫は勝手に出家をして旅に出てしまうのだ。跡取り息子を亡くした家の始末からなにから相模に任せきりにして。相模がかわいそうすぎる。

「うかれ坊主」はずいぶん久しぶりな気がして、上演記録を見ると約3年半ぶり。顔立ちに愛嬌のある松緑には合っていると思う。でもなんかこう重苦しいのは体格がよすぎるせいかしらん。前回の三津五郎と比べるのは気の毒だけど、やはりもうちょっと洒脱さがほしい。

そして「助六」。2か月続けて本家本元、市川宗家助六が観られるなんて贅沢だわぁ。「自分たちの方が先にやりたかった」という海老蔵の筋書きの言葉は本音だろう。とはいえ、荒削りではあってもまさに時分の華。先人が工夫に工夫を重ねて洗練させてきた助六の衣装がこれほど似合う人がいるだろうか。幕開きの口上は市川家ゆかりの役者が勤める決まりで,今回は左團次さん。普段の襲名披露の口上で左團次さんが名乗るだけで客席から笑いが起こるので控えたのか、名乗らずじまいだった。揚巻は福助。酔いを見せる場面でちょっと下卑になる。でも意休に楯突く場面の強さは良かった。染五郎の祐成も松緑の門平衛も滑稽さがほどよくて良かった。秀太郎さんのお袋さん、好きだぁ。水入りがつくのも久しぶり。いやぁ、いいもの観せてもらった〜!

夕食はグリル梵の「極上ビーフヘレカツサンド」。「ヒレカツ」じゃないのね。調べてみたら、大阪では牛のフィレ肉をヘレ肉というんだって。でもフィレ肉とヒレ肉って一緒でしょ? よく分からない〜。美味しかったからヒレでもヘレでもどっちでもいいけど (^^ゞ

終演後に再び同じスタバに寄って100円で2杯目の珈琲。今野敏の30冊め「半夏生」を読み終わった。面白かった。もうすぐ安積班シリーズの既刊を読み終えてしまうのが寂しい〜。