まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

maru992010-05-26

歌舞伎座から新橋演舞場へと場所を移して初めての公演。チケットの発売スケジュールも変わり、そのしょっぱなに出遅れてしまったので昼の部の今日は3列目。

幕開けは「寺子屋」。先月の歌舞伎座で豪華な配役による充実した舞台を観たばかりなので、染五郎七之助の源蔵夫婦に海老蔵勘太郎の松王夫婦という若手ばかりの配役に物足りなさを感じるのは致し方ないところ。松王丸がすべてにおいて過剰というか、役どころのせいでなく表現において周囲から浮いていたように感じた。姿がいいだけに残念。

吉野山」は、福助の静、勘太郎の源九郎狐に猿弥の藤太。まぁ踊りだから、詳しくない私はただ見ちゃうだけなんだけど、可もなく不可もなくというか、特に心が動くこともなく、サラサラと終わっちゃったな、という感じ。

「魚屋宗五郎」では、松緑の宗五郎に芝雀の姉さん女房。亀寿の三吉は、親方の妹が非業の死を遂げたという状況にしては元気が良すぎるかなぁ。宗五郎の妹思いは伝わってくるし、酔態も本当の酒乱のように見えて上出来なんだけど、それ以前の正気の部分で人一倍道理を立てる成熟した大人の男に見えるにはもうちょっと年齢が経たないと無理かな。七之助のおなぎの台詞がすごくよかった。「寺子屋」でも思ったけど、声がキレイでよく通るし、言葉に気持ちがこもって説得力が出てきた。

最後の「お祭り」は染五郎。スッキリとしていなせな親方なんだけど、三方に頭を下げる動作が早すぎて、拍手をするタイミングでもうそっぽを向いてしまっているので、取り残された感じがしてしまう。お辞儀はゆっくり。挨拶は大切。

終演後ちょっと足を伸ばして、すでに工事の始まった歌舞伎座前へ。やはり寂しい風景だなぁ。

コンブリオに間に合うように帰宅すると、一番最初のリクエストが昨日送った渡しのメールだったのでビックリ。夕べ風が強かったので、この強風を音楽的に楽しみたい、というムチャぶりなリクエストに応えて斎藤さんが選んでくれたのは、本当に風の音がするウインドマシンを使った「ドン・キホーテ」。面白いなぁ。こんな楽器があるのねぇ。斎藤さんがかいつまんで話してくれた「ドン・キホーテ」の物語も、遠い昔に読んだはずがうろ覚えで、また読んでみたくなった。ためになる番組だ〜。