まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

maru992011-12-15

昨日の夜の部に続いて今日は昼の部。2列目だけどかなり右寄り。

夜の部の「錣引」と同様に、昼の部最初の「碁盤忠信」も初めて観る演目。それもそのはず、どちらも七世幸四郎の当たり役ながら近年はほとんど上演がなく、ことに「碁盤忠信」は実に百年ぶりの復活だそうな。復活物というのは、上演されなくなるにはそれだけの理由があるのだと納得してしまう作品も少なくないのだけれど、「錣引」も「碁盤忠信」も歌舞伎ならではの様式美にあふれて、埋もれさせておくのはもったいない。そんな作品を2つも復活したことだけでも大きな成果と言える。

染五郎の忠信と海老蔵の横川覚範が登場する前の場面に出てくる次段太。漢字で書くとなんてことないけど、「じだんだ」って、すごいネーミング。

忠信は荒事の作りで、染五郎は線が細いから、海老蔵の覚範が同じように荒事の出で立ちで登場した途端、持って行かれてしまうのがちょっと気の毒。

ラストは、二人が見えぬ力に闘いを妨げられ、さては曽祖父の七世幸四郎が曾孫同士で争うなと止めたのか、と納得し合うオチ。そうきたかぁ。微笑ましくていいけども。

「茨木」は松緑の演目で、海老蔵の綱。真柴の間、きちんと老婆に見えて、実に丁寧に演じている印象を受けた。いつか「黒塚」も見せてほしい。鬼の姿に変わるまでの間狂言は、亀三郎、市蔵、高麗蔵の3人で、最近もっぱら老役か敵役だった市蔵さんの「普通の姿」がとても新鮮。

染五郎は忠信で、海老蔵は弁慶で、そして松緑茨木童子で、それぞれ花道を六法で引っ込む。なんというか、こうやって芸が継承されていくのだなぁ、と感じ入ってしまった。いろんな意味で、いい興行だったと思う。

終演後、日比谷公園の樹々が美しく紅葉していたので、しばし散策。のどかなひととき。

あ、そうそう、スマフォの電源を切ってあったんだっけ、と公園のベンチで電源を入れると、クライアントからのメールでいきなり現実に引き戻される。まだ和訳が途中なのに、英文に修正が入ることになったからひとまず保留にして、別の英訳を進めてほしいと。20ページで月曜までって、そんなぁ。今週いっぱいは慌ただしくてあまり時間が取れないと伝えておいたのに。しかもまだ書類は届いていない。すぐにスタートしたって厳しいのに、参っちゃうなぁ。

書類が届いてしまう前に、しっかり寝ておこう〜。