まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

maru992015-09-24

昨日に続いて歌舞伎座。今日は昼の部。

「双蝶々曲輪日記」より「新清水浮無瀬の場」。普段「角力場」と「引窓」ぐらいしか上演されない作品で、この場面を観るのは初めて。「引窓」では十手を預かる身となる南与兵衛が笛売りで日を暮らし、たくさんの笛を吊るした傘で空を舞う宙乗りがつく。面白い趣向。

「紅葉狩」では、染五郎が美しい赤姫から鬼女に変身。平維茂松緑。魔力で眠らされている維持一行を起こそうとする山神を染五郎の息子の金太郎。今の勘九郎七之助が山神を演じたのがまだそれほど昔ではないように思うのに、勘九郎はもう父親なんだものねぇ。紅葉でいっぱいの舞台は今の季節にピッタリ。

「競伊勢物語(だてくらべいせものがたり)」は、2003年に国立劇場猿之助歌舞伎として上演されているのを除けば実に半世紀ぶり。長く上演されていなかった作品というのは、上演されないだけの理由がやっぱりあるんだなぁ、と納得して終わることが多いのだけれど、今回は違った。主君のために娘を殺さなければならない紀有常を吉右衛門、その娘を我が子として育ててきた老母を東蔵、その娘しのぶを菊之助、しのぶの夫で在原業平の身代わりとして切腹する豆四郎を染五郎。重要な鍵となるのがこの老母で、長年慈しんできた娘を突然返せと言われて憤り、夫のために罪を犯した娘の命を助けたい一心で伊勢の斎宮として差し出すことを承知し、その直後に娘を実の父親である有常に殺されて悲嘆する。その心の動きの切なさに涙腺がうるうるし始めた頃、隣りの席のオバサマはすでに滂沱の涙でグシュグシュ。あちこちからすすり泣きが聞こえた。夜の部で老役の払底を痛感した直後だけに、こうした作品の上演が今後は難しくなっていくのかなぁ、とあらためて心配になったりもした。今後また長くしまいこんでしまうことなく、再演を続けてほしい。

終演後、昨日のリベンジでナイルレストランへ。定番のムルギーランチを頬張っている間に雨が降り出した。傘なんて持ってこなかったわー。小雨の中をハンズ銀座店へ。昨日のうちに物色しておいた厚さ2ミリのイラストボードとラベルシール、壁に貼ってキレイにはがせる両面テープと、ワイヤーフックにかかる細さの鉄の棒を購入。棒は、アルミやステンレスのは千円以上するのにしなってしまい、一番頑丈な鉄の棒はわずか180円。錆びるからだろうけど、1週間、室内で使うだけだから強度のほうが重要。

帰宅して早速、作品展で使う絵のタイトルラベルを作成。普段、請求書の宛名ラベルの作成に使っているソフトでシール用紙にラベルを打ち出し、事前にカットしておいたイラストボードに貼り付ける。厚さ2ミリのイラストボードをカッターでキレイに切るのはなかなか大変だったけれど、仕上がりはなかなかいい感じ。シール用紙1枚で10枚分のラベルを作成し、まだ連絡待ちのタイトルがあるので、残りの10枚はひとまず保留。準備は順調 (^^)