今日は「八月納涼歌舞伎」を第1部から第3部まで通しで。朝からもう陽射しがギラギラなので、隣りの駅までバスで移動し、サブウェイで腹ごしらえをしてから歌舞伎座へ。急ぎの案件が昨日すぐに終わったおかげで、心置きなく観劇できる。
第1部は、「花魁草」「龍虎」「心中月夜星野屋」の3本。
「花魁草」は、もうずいぶん前に獅童、福助と勘三郎で上演され、とても印象に残っている舞台。それを今回は獅童と扇雀と幸四郎(まだどうも違和感が…元染五郎)。心理描写が巧みな北條秀司の佳作で、幕切れに橋の上でしょんぼりと佇む福助の姿が今も目に残っている。来月の復帰が待ち遠しい。
「龍虎」は、幸四郎・染五郎父子の舞踊で、双方ともに毛振りをしながら背後で後見が奮闘し、衣装の早替りを見せる。顔の隈取りもあっという間に消えてしまい、その時点であの隈はシールのように貼り付けてあったのか、と分かる。正直、そこまでやらなくても、という気がした。普通に踊るだけでも十分に良かったんじゃないかと。
「心中月夜星野屋」は新作で、囲っている元芸者の気持ちを試すために心中を持ちかける旦那と、心中するふりをしてやりすごそうとする元芸者とその母親のすったもんだを描くコメディ。七之助の元芸者と獅童の母親とのやりとりがおかしくて爆笑の連続。中車の旦那がちょっと暑苦しい。
第2部は「東海道中膝栗毛」と「雨乞其角」の2本で、膝栗毛はいきなり喜多八(猿之助)の葬儀の場面から始まり、地獄の閻魔大王は出てくるは、神無月で天照大神が不在だからと最後はキリストまで出てきて、大いに笑わせてくれた。猿之助は、この舞台で幽霊を勤めてから演舞場のNARUTOに愛之助と日替わりで出ている。喜多八が最後に生き返る演出かと思いきや、そうはならなかったので、幸四郎・猿之助の膝栗毛はこれで打ち止めなのかしらん?
「雨乞其角」は、扇雀が俳諧師の其角を勤める舞踊で、弟子のひとりに左團次さんのお孫さんの男寅くん。其角を中心に弟子たちがずらりと並び、背中の笠の紐を解いて手にとって踊る場面で、男寅くんだけ紐が解けず、ハラハラしながら観ていたら、とっさに扇子を手に踊りだした。もともと扇子を手にしていた其角とかぶってしまったものの、ひとりだけ何も持たずに踊るより目立たなくていい判断だったと思う。
今月一番期待していたのは、第3部の「盟三五大切」。幸四郎の源五兵衛に獅童の三五郎、七之助の小万。見どころがたくさんある芝居だし、面白かったんだけど、源五兵衛があまり小万に惚れ込んでいる感じがしなくて、獅童の源五兵衛に幸四郎の三五郎でも観てみたい気がした。
源五兵衛は実は不破数右衛門で、めでたく赤穂浪士の仇討ちに加わることになって終わるんだけど、たくさんの人を殺したあとに仇討ちってどうよ、という疑問が… (^^ゞ
久しぶりの通し狂言で、睡魔に襲われることはまったくなかったものの、帰宅後どっと疲れ、マッサージを2コース。今日は早めに寝てしまおう ☆