まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

maru992014-10-24

22日の夜の部から1日おいて、今日は歌舞伎座「十月大歌舞伎」の昼の部。明日が千秋楽なんだけど、絵の教室だから。

「野崎村」のお光を七之助、お染は児太郎。二人ともどちらかというと寂しげで「陰」なのに対し、弥十郎の久作と扇雀の久松が「陽」なので救われている。お常は秀太郎。お染久松の二人が結ばれないなら死ぬ覚悟なのを見抜いて身を引くお光。髪をおろして尼にならないと身を引くことにならないのかしら…と観るたびに思う。

踊りがふたつ。馬が活躍する「近江のお兼」を扇雀、キビキビとして楽しい「三社祭」を橋之助獅童

「伊勢音頭恋寝刃」の貢を勘九郎。これも彼の生真面目さが活きる役。お紺は七之助で、顔立ちが寂しげだから仕方ないんだけども、傾城らしい華やかさがほしい。小山三さんが出てくるだけで大喝采。お元気そうでなにより。夜の部の「寺子屋」と同じように、仁左衛門は料理人喜助として、玉三郎は嫌味たっぷりの万野として、ガッチリと脇を固める。

3時すぎに終演。ユザワヤで毛糸を物色したけど、やっぱりウール100%で中細のネイビーは見つからない。もうあきらめるしかないかなぁ。

スタバで長々と時間調整をして、6時すぎに浜離宮朝日ホールに向かう。OTTAVA のガラ・コンサートに出演予定で、斎藤さんの Salone にゲストとして登場した福間洸太朗さんのピアノリサイタル。斎藤さんとのお話がとても楽しかったし、番組中でかかった演奏がとても素敵だったので、歌舞伎座とのハシゴはしんどいかしらねぇ、と心配しつつもチケットを取った。ロビーで何人かのリスナーさんと遭遇。

「鐘に共鳴するロシア魂」と題し、ラフマニノフ前奏曲嬰ハ短調「鐘」に始まり、チャイコフスキーの「四季−12の性格的描写」より「11月 トロイカ」(ドゥムカ − ロシアの農村風景)、スクリャービンの「幻想曲ロ短調」、ボロディンの「小組曲」より「第1曲 修道院にて」と「第7曲 夜想曲」、そしてバラキレフの東洋風幻想曲「イスラメイ」と続き、ここで休憩。ロビーに出たら、お久しぶりの斎藤さん♪ 

後半はムソルグスキー組曲展覧会の絵」。個々の楽章は OTTAVA でもよくかかるけど、こうして通しで聴くとまた格別。さらにアンコールでは、再びチャイコフスキーの「四季」より「10月 秋の歌」に続いて、ロシア民謡「夕べの鐘」を福間さんご自身が今日のプログラムの作曲家6人の特色をとらえて創作した「夕べの鐘の主題による6つの変奏曲」。それでもまだ拍手が鳴り止まず、じゃあもう1曲、と弾いてくれたのがストラヴィンスキー火の鳥」のフィナーレ。CDリリース記念のリサイタルで、そのCDのタイトルが「火の鳥」だから、絶妙な結び。

これから三軒茶屋のオフィスに戻って仕事だという斎藤さんとホールの前で別れ、リスナーさん数人と一緒に東銀座の駅へ。私だけ反対方向だったので、皆さんとは駅でお別れ。リサイタルが始まった途端に見耳鳴りがし始めたのがしんどかったけど、やっぱり生の演奏はいいなぁ。11月のガラ・コンサートでもまたあのドラマチックな演奏を聴くことができる。楽しみ♪