まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

maru992013-09-22

夕べは午前2時すぎに寝たのに、きっかり4時間で目が覚めてしまい、いやいやまだまだ、とベッドにかじりつくようにしてなんとか二度寝に成功。そのあと3時間ぐらい眠れた。上出来。

ゆっくり寝て出かけた先は歌舞伎座。今度こそ「陰陽師」。諸般の事情により、思いがけず桟敷席で観ることになり、東の5の1に座って客席に目をやると、あらら、すぐ近くの席に、すっかりご無沙汰している着物のお店のスタッフさんを発見。どうやら会社のレクリエーションらしい。幕間にちょっとオシャベリ。

夢枕獏さんの原作も岡野玲子さんの原作も愛してやまない私としては、少なくとも映画版を超えてほしいという思いが強かった。野村萬斎が晴明を演じた映画版で、一番不満だったのが博雅。果たして歌舞伎では勘九郎の博雅で、真っ正直で純粋な感じがなかなかよかった。

源氏物語」ではとってつけたようで違和感ばかり強かった音響が今回はしっくりきていたし、舞台装置やその転換の仕方も効果的。原作はエピソードの数だけでも膨大だから、選びようによってはいくらでも複雑な物語になり得るところを、あえて古典歌舞伎でもおなじみの将門と瀧夜叉に焦点を当て、原作の世界観はそのままに、原作を知らない人でも十分に楽しめる分かりやすく起伏のある展開になっていて感心した。

なんというか、もうずいぶん前から歌舞伎が「薄味」になりつつあって、観始めたばかりの頃とは違うものになってしまっているようで、寂しく思うことが少なくなかった。慶應歌舞研OB会のお手伝いをしていた頃、二回りぐらい上の世代の方々がよく「最近の歌舞伎は水っぽくてつまらない」と言っていたのを思い出し、自分もそう思う年代になってきたのかなぁ、と思ったり。でも今日の舞台を観て、歌舞伎が変わりつつあるとしても、変化は必ずしも劣化ではなく、たしかに新しい時代の歌舞伎が生まれつつあるのだと感じた。串田さんやクドカンの新作では感じなかったことで、今「花形」と呼ばれる彼等の十年後、二十年後の舞台がとても楽しみに思えて、それがとっても嬉しかった。その頃、自分がいくつになっているかは…とりあえず考えないことにしよう ^^;