まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

maru992012-08-26

今月の「観る」の最終となる第6弾は、なにげに久しぶりな気がする国立劇場の小劇場で、第18回となる「稚魚の会・歌舞伎会合同公演」。今年の演目は、「絵本太功記」より「尼崎閑居の場」、「妹背山女庭訓」より「道行恋苧環」、「身替座禅」の3つ。11時からの第一部ではB班が、15時からの第二部ではA班が上演するのを通しで観る。

八月の恒例となっているこの公演。自由席だった時には、良い席をとろうと暑い中を並ぶのがぐったりするほど大変だったけれど、幸いここ数年は指定席制に落ち着いていて、稚魚の会「友の会」で申し込んだチケットは、B班が11列目、A班は6列目で、いずれも中央ブロック。

毎年のことながら、これだけ力のある人たちが普段の興行では脇役に徹しているという歌舞伎の「層の厚さ」を実感させられる。ただ残念なのは、師匠の方針や各劇場の公演日程との兼ね合いもあるのだろうけれど、出演する人が限られていて、毎年ほぼ同じ顔ぶれになりつつあること。本興行では実現し得ない大役を勤められる数少ない機会なのに、今年に限っても、A班とB班の両方でそれぞれ別の役を演じる人もいれば、同じ役で両方の班に出る人もいる。一人一役に限ると役が余ってしまうほど出演希望者は少ないのだろうか。それとも、そもそも出演可能な人がこんなにも少ないのだろうか。事情は分からないけれど、やっぱりもったいないと思ってしまうのだ。観る側としては、通常の興行で脇を勤める人たちの中に、この公演で印象に残った人を見つけ出すのも楽しみのひとつなのだし(私だけ?)

友右衛門さん、吉三郎さん、獅童クン、梅枝クン、梅之さんなどもお見かけし、第二部では左團次さんのお弟子さんの左字郎さんが「身替座禅」の右京に出るので、ひょっとしたらと期待したけど、残念ながら左團次さんのお姿はなかった。今日だけの公演じゃないんだもの、そううまくはいかないよねぇ。

通常の興行では、同じ日に同じ芝居を別の配役で観るなんてことはないから、どうしても比較しながら観てしまい、たとえば夫婦や恋人の組み合わせをA班のこの人とB班のこの人と入れ替えたほうが相性がいいんじゃ、なんて思ったりして、いつも以上にいろんなことを考えながら観た(ただの雑念とも言えるけど ^^;)

尾上辰巳クンの面影を思わせる人がいて、本当にいなくなっちゃったんだなぁ、と寂しさが募ったりもした。

最近めったに通しで観ないから疲れるかと思ったけど、やっぱり好きなんだなぁ、まったくそんなことなかった。盛りだくさんだった今月の「観る」もこれにて終了。