まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

maru992013-08-20

糸屋さんに電話でエジプト綿の無地を何色か注文し、そのあと半蔵門国立劇場へ。

小劇場にて、稚魚の会・歌舞伎会合同公演。去年まではA班B班に分かれて同じ演目を披露する形だったので、この演目はこっちの班のほうが、とか、こっちの班のこの人とあっちの班のこの人との組み合わせのほうが、とか、観ながらあれこれ考えるのも楽しみのひとつだった。それが今年は班がなくなり、合同公演の形式は維持しているものの、名題下の歌舞伎会からの参加はひとりだけ。近年は参加する顔ぶれがほぼ定着していて、本興行と並行しながら準備を進めるのも、全国各地で様々な興行がある中で必要な人数を集めるのもさぞ大変だろうから、仕方ないこととはいえ、普段、縁の下の力持ちの人たちが芯の役を勤める貴重な機会だけに、もったいないなぁ、とも感じていた。いよいよ運営が難しくなってきたのかなぁ。長年、観続けてきたファンとのひとりとしては、今後もぜひ続けてほしいのだけれど…。

「雛鶴三番叟」は初見かもしれない。女形3人だけの三番叟。珍しくて新鮮。勉強会で初見の演目に出会えるなんて。梅之さんの翁が美しく品格もあり秀逸。

修善寺物語」は、もう何年も前の勉強会で左十次郎さんが演じた頼家の美しさが今も目に残っている。夜叉王は老練な役だから若手にはなかなか厳しい。面作師の執念が空恐ろしいほどに…というところまではいかなかったけど、勉強会であるおことを思えば上々。

踊りも必須で、今年は「団子売」と「俄獅子」。何年歌舞伎を観ていても、踊りは相変わらずただボーッと観ているだけなんだけど、そんな素人の目にも「硬さ」は伝わってくる。でも、みんながひたむきなのがこの公演のいいところ。

修善寺物語」と同様に勉強会でよく上演される教科書のような演目がラストの「引窓」で、これが今年は一番良かった。本興行と違い、役者の色に左右されずに観られるから、ある意味、文楽と同じように物語の骨格がよりくっきりと浮かび上がって、つくづくよくできた芝居だなぁ、と思いながら、物語の筋だけでなく、ひたむきな熱演にじーんときて、ちょっとうるっとしかけた。

1時開演で、4時頃には終わるだろう、と軽く考えていたら、5時15分と遅い終演だったので、「引窓」の最後のほうでなんどかお腹がグー。せっかく平日なので、甘味処「おかめ」に寄るつもりだったんだけど、コンブリオが始まっちゃうのにイヤホン持ってこなかったから、急いで直帰。オンデマンドでも聴けるのにねぇ ^^;