まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

maru992011-06-26

午前中に固定電話が鳴り、思いがけない知らせを受けた。伯母が遺してくれた家作の店子さん関係をもう何十年も管理してくれていた不動産屋のご主人が3月の地震の数日前に他界されたという。電話をくれたのは奥様で、免許はご主人しか持っていなかったので、亡くなった時点で廃業せざるを得ず、次の更新時期までに別の不動産屋を手配してほしいと。今まで何もかもお任せしっぱなしだったので、新たに不動産屋を手配しなければならないとなると、それだけでもうどうしたらいいのか。それに亡くなってから何か月も経ってしまった場合、お香典はどうしたらいいのかしらん。途方に暮れてしまうなぁ。

しばし考えあぐねていたけれど、とりあえずまだ時間の余裕が十分にあるので、ひとまず棚上げ。だって今日はせっかくの演舞場夜の部だもん(それでいいのか?)。

夜の部最初は薄暗い雪景色で幕を開ける「吹雪峠」。ひとりの女性をめぐる兄弟分の男2人の物語を染五郎愛之助、孝太郎の3人だけで演じる。この芝居を初めて観たとき、現代にもそのまま通じる心理劇という点でいかにも新歌舞伎らしく、強烈に印象に残ったのをよく覚えているのだけれど、今回はなんだかひどくあっさりしていて、あっけなく終わってしまった。もっとこう人間の業みたいなものがドロドロと渦巻くような葛藤を見せてくれないと。

昼の部の千之助に続いて、「夏祭浪花鑑」には染五郎の長男金太郎クンが団七(吉右衛門)の息子の役で登場。ムシムシと暑い季節にはピッタリの演目ながら、全体的にちょっと重い印象だった。よく言えば円熟味たっぷり、悪く言えば若さが感じられないというか…。牢から出てきたばかりのむさ苦しい団七が一転して風刺爽やかに登場する場面は見所のひとつだけれど、それ以上に仁左衛門の徳兵衛がカッコ良すぎてうっとり。福助のお辰は、なんだかベチョベチョしていた。愛想良くしすぎなんじゃないかなぁ。反対にすごく自然で良かったのが芝喜松さんのおつぎ。錦之助の磯之丞と孝太郎の琴浦はイチャイチャぶりがかわいらしくてマル。泥まみれで殺されてしまう義平次役の段四郎さんと、昼の部に続いて老け役ながら魅力的な三婦を見せてくれた歌六さん、お疲れさまでした〜。

そば食堂のトロロせいろで夕食を済ませた後、今月のシメは染五郎時蔵コンビの「かさね」。これもある意味、夏の定番。花道で仲睦まじいところをたっぷり見せてくれるので、後半の殺し場が生きる。

帰宅後、請求書作成のためのデータの整理。このところずっと忙しい状態が続いているので、未請求の案件がたまりがち。自分がもうひとりほしいわ〜。