歌舞伎座に行く前に、と図書館へ。宮部みゆきの「名もなき毒」を返却し、同じ杉村三郎シリーズの第3弾「ペテロの葬列」の上巻を借りてきた。幕間で読める♪
初春歌舞伎は金曜日に昼の部だけを観て、今日が夜の部。向かう途中の北千住で駅構内のスタバに寄り、ディカフェのラテ。ほっこりして、さて時間、と店を出て、日比谷線のホームへのエスカレーターに乗るすぐ手前で、パタパタと足音がして呼び止められ、振り返ると、「これ、違いますか?」と彼女が差し出したのは私のスヌード。スタバに忘れたのをここまで届けてくれたなんて! お礼を言ったら、「いえいえ!」とニッコリ笑ってまたパタパタと駆けていった。嬉しかった。私ならきっとスタバのスタッフに渡して終わりにしちゃうだろうなぁ。
夜の部最初の「井伊大老」は、タイトルロールを幸四郎、雀右衛門の昌子に玉三郎のお静、歌六の禅師。今月はあちこちで歌舞伎をやっているから人手不足でやむを得ないのだろうけれど、大老を銕三郎と幼名で呼ぶ旧友が愛之助、大老に意見する長野主膳が染五郎で、どちらも年の差がありすぎて、せめて旧友の水無部だけでも又五郎のほうが良かったんじゃないかしらん。別に愛之助の水無部が悪かったわけじゃないけど、今月この人4つも出ていて、そのうち1つは5役早替りなんだもの。
この演目にはお雛様の段飾りが出てきて、それにちなんで木挽町広場にも豪華な段飾り。
富十郎がはや七回忌で、息子の鷹之資がもう17歳! その彼が追善で「越後獅子」を踊る。天王寺屋は息子が二十歳になったら富十郎を継がせると言っていたそうだけれど、まだそれほど大きな役をもらえていないのに、あと3年で富十郎になるのかしらん。
もうひとつの舞踊は玉三郎の「傾城」で、「阿古屋」と衣裳がよく似ているので、しげしげと見入ってしまった。舞踊だからか、豪華な打ち掛けを脱いでも中も金ピカ。この人の美しさを超える女形が現れる日は来るのだろうか。
最後は「松浦の太鼓」。吉良家の隣りに屋敷を構え、赤穂浪士がいつまでたっても仇討ちをしないとしびれを切らし、いざ討ち入りの報が入ると助太刀せんといきり立つ直情な殿様を染五郎が初役で演じる。吉右衛門の当たり役で、老練な俳優が稚気のある殿様を演じるところが面白みで、染五郎のようにまだ若いと、ただ軽いように見えてしまうのが気の毒。愛之助の源吾に壱太郎のお縫、そして其角宗匠は左團次さん♪
十時すぎに帰宅。明日も「観る」が続くので、今日は早じまい ☆