まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

夏祭浪花鑑

海老蔵の団七に獅童の徳兵衛。月代ぼうぼうにヒゲ面で牢から解かれた団七が碇床 (床屋) で身ぎれいになって颯爽と現れる場面はまさに目が覚めるよう。かつて十五代目羽左衛門や十一代目團十郎は舞台に出てくるだけで辺りが光り輝くようだったと伝えられている、その片鱗を海老蔵に感じる(ほめすぎ?)。出牢の場面ではずいぶんと痩せて見えて、年頭からお酒と肉を断っているせいかしらん、と思っていたのだけれど、後半、肌脱ぎになるとガッシリとしていて肉感的。団七のかっこよさ、ハンパなかった〜。猿弥の三婦は老役で気の毒な気もするけれど、貫禄十分で不足がないのには感心した。前々から器用な人だと思っていたものの、器用なだけでできる役ではない。笑三郎の落ち着いた女房ぶりといい、猿之助の指導が確かに花開いていると言うべきなのだろう(必ずしもその指導を受けた全員にあてはまることではないとしても)。市蔵の義平次は金比羅歌舞伎に続く海老蔵とのコンビで息がピッタリ。勘太郎のお辰は、勘三郎の指導でこれまでにも演じたことがあるそうだけれど、勘三郎のコピーにはなっていない。ただちょっと色気を出しすぎかも。