まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

あと1年の雄姿

maru992009-04-26

3時すぎにベッドに入り、しっかり寝なくちゃいけないのにこういう時に限ってなぜかトイレに行きたいわけでもないのに何度も目が覚めてしまい、こんな状態じゃ客席で寝ちゃうよ〜、と心配になって少しでも眠ろうと布団をかぶり、昼近くまで。宅配に起こされてしぶしぶ起床。

従来は 「中村会」 と銘打っていたのが今年は普通に 「四月大歌舞伎」。その千秋楽の夜の部は 「毛谷村」 でスタート。なんだか久しぶりな気がして上演記録を調べてみたら、歌舞伎座では平成17年1月が最後で、その後の3回はおそらく観ていない。お幸を演じる吉之丞さんを舞台でお見かけするのも久々な気がする。吉右衛門の六助に福助のお園、歌昇の弾正。雀右衛門のお園が好きだったなぁ。明日の俳優祭にジャック様ご出演とのこと。楽しみにしよう。

続く 「吉田屋」 は仁左衛門玉三郎。昼は政岡と八汐で対立している二人が夜はこうしてラブラブなのねぇ。我當の喜左衛門に秀太郎のおさきで、松嶋屋3兄弟が3人だけで舞台にそろうのがなんだか嬉しかったり。大勢出てくる仲居と幇間松嶋屋イチョウ紋をちらした浴衣姿。こういう遊び心も楽しい。最後に出てくる幇間は巳之助君で、次々と運び込まれる千両箱に、まさに口をあんぐりの驚く表情。分かりやすいリアクションだぁ。

藤十郎のお初1300プラス2回目の 『曽根崎心中』。初めの頃はどうなることかとハラハラしながら観ていた翫雀の徳兵衛も、上演を重ねるうちにしっくりくるようになって、今では一番相性のいい相方なんじゃないかしらん。何がすごいって、御年77歳の藤十郎が19の娘を演じて違和感がなく、徳兵衛が好きで好きで仕方がないという 「恋のオーラ」 が尋常じゃなく、それが一層、お初を輝かせる。橋之助九平次は江戸っ子っぽくなってしまうんじゃないかと思いきや、意外に違和感がなかった。天満屋の主人にお久しぶりの竹三郎。愛嬌のある下女役はもう寿治郎さん以外考えられないぐらいだねぇ。

上方歌舞伎って江戸歌舞伎にない独特の味わいがなんとも言えず好きなんだけど、伊左衛門や徳兵衛や九平次みたいな男たちばかりだったら女はたまらない〜。

帰宅後、中村梅之さんのブログで市川升寿さんの訃報を知る。享年74。凛として美しい後見姿が目に残っている。合掌…。

さ〜て、明日は俳優祭