まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

maru992017-03-23

仕事が忙しいのに、今週は「観る」イベントが立て込んでいて、なかなか時間が取れない。事前にチケットを取ってしまっている場合、それをキャンセルしてまで仕事を優先、というのはしない主義 (^^ゞ

午前中に少しでも、と思ったけどなにやらバタバタしてしまって仕事はできず、駅構内のベックスに寄り、「コッパパルマサラダと三種のデリプレート」で腹ごしらえをしてから歌舞伎座へ。

蔦之助さんのツイートで、左團次さんが芸術院賞を受賞したという嬉しいニュースを知ったばかりだったので、まずは左團次さんの番頭さんにお祝いのご挨拶♪

「三月大歌舞伎」夜の部の初めは「引窓」。幸四郎の南与兵衛に魁春のお早、彌十郎の濡髪に右之助の母お幸。彌十郎は大柄で力士の役にピッタリ。お尋ね者となり、探索のための絵姿にも描かれている目印のホクロを消そうにも消されず、困っているところへ与兵衛が窓の外から金包みを投げ、それでホクロがポロッと落ちる、というくだりはあり得ない「ご愛嬌」だけれども、実の親子と義理の親子との間の情愛が実に細やかに描かれていて、観るたびに「よくできた話だなぁ」と感心してしまう。

女五右衛門こと「けいせい浜真砂」は藤十郎の真砂路と仁左衛門の久吉。わずか10分の短い幕のために、舞台上でせり上がる大仕掛けの楼門に一面の桜。衣裳も豪華。贅沢よねぇ。

そして最後はお楽しみの「助六所縁江戸桜」。この外題で上演されるのは市川宗家助六を演じる時に限られていて、海老蔵助六は4年ぶり。髭の意休を左團次さん♪ 意休の子分たちの中に孫の男寅さんがいて、朝顔仙兵衛を男女蔵さん。同じ芝居で三代揃うなんて、嬉しいわぁ。雀右衛門の揚巻に梅枝の白玉、歌六のくわんぺら門兵衛、秀太郎の満江、巳之助の福山かつぎ他、華やかな舞台。いやぁ、やっぱり当代随一の助六だなぁ。チケット発売に出遅れて2列めだったんだけど、あえて花道の近くにしたので、助六も意休も至近距離でド迫力。堪能したぁ。

雀右衛門と京妙さんほか揚巻付きの面々がごっそりと国立劇場との掛け持ちで、雪の中を息も絶え絶えになりながら守り通した我が子がようやく再会できた夫に殺されてしまうという辛い場面を演じた後に、歌舞伎座に移動して大きな鬘と重たい衣裳に着替えて揚巻。大変だろうなぁ。

帰宅後、明日は「観る」と「聴く」の両方だから仕事は控え、早寝をするつもりが、お風呂でテレビをつけたらちょうど NHK で「自閉症の君との日々」というドキュメントが始まったばかりで、お風呂を出てからも続きを見てしまった。日本人の自閉症の男性が自ら綴った「自閉症の僕が飛び跳ねる理由」が自閉症の息子を持つイギリス人の作家の目に止まり、彼がたまたま日本に滞在した経験があり日本語に堪能だったことから、彼を通じて何か国語にも翻訳され、自閉症を持つ多くの親の手に届き、自閉症への理解を深める手助けになっている。同じ翻訳でも私の場合はビジネスの分野に限られているから、こんな劇的な展開はあり得ないけれども、何より著者の語る言葉の純粋さ、深さに胸を打たれた。

… 早く寝ないと!