まだ風邪がぬけきらず、咳き込んでは目が覚めてしまうものだから、せっかく早めにベッドに入ったのに熟睡できない。そのせいかアラームが鳴っても起きられず、何度も寝ては起きるを繰り返し、正午をすぎるまでベッドにいてしまった。慌しい年の瀬だというのにいかんいかん。
1時間ほどアルパの練習にいそしみ、3時すぎにバタバタと家を出て歌舞伎座に向かう。途中で忘れずに、ようやく仕上がった年賀状を投函。
上旬に着物のお店のご招待で観た夜の部の2回目。後方の花道外の席から3列目のほぼ中央に移っただけで、芝居がガラリと変わって見える。何が驚いたって、1回目にはすっかり気持ちが引いてしまって入り込めなかった 「寺子屋」 で涙ぐんでいる自分にビックリ。演じ方が1回目と大きく変わったわけではないから、やっぱり席のせいなのかなぁ。時間とお金に余裕があったら、毎月同じ芝居を何度か違う席で観て較べてみたいなぁ。
最後の幕は、有吉佐和子原作の 「ふるあめりかに袖はぬらさじ」。遊郭を舞台に、異人に抱かれるくらいなら死んだ方がまし、と遊女が自殺してしまうのが物語の発端で、舞台上では異人役の役者もいて、あやしげなカタカナ英語が飛び交う。近くの席に外国人のグループがいたので反応はどうかとチラ見していたところ、イヤホンガイドの解説が行き届いていたのか、やたらとウケて大いに笑っていた。異人に身を任せる遊女は 「らしゃめん」 と蔑まれ相手にされなくなってしまう、なんて外国人からしたら無礼な話なのにね。
終演後は急いで帰り、マジメに仕事をする。というのも、風邪で寝込んでいる間に打診があり、復調するまで余裕をもって納品できる日を伝えたきり返信のないクライアントがいて、受注が確定したわけじゃないからスタートするわけにもいかず、連休明けまではどうにも仕方がないと放置していたところ、歌舞伎座でケータイの電源をオフにしている間に正式な受注の連絡が来ていた。その間に年末年始にかけての大仕事を受注してしまっているから、さっさと仕上げてしまわないと大変。
これまで手がけたことのない内容だったこともあり、思ったよりも手間取ってしまい、いつもどおりラジオを聴きながら、朝の5時までかかってようやくひととおり英訳が終わった。見直しはひと寝入りしてから〜。
… クリスマスとはまったく無縁の1日でありました。