まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

見上げてみれば

maru992007-03-09

ギュルン、ギュルルルルルゥ! と下腹部のただならぬ急旋回に飛び起きてトイレへ。そのまましばらく出てこられない。さすがにのべ4日目となると過去に経験がないので気味が悪くなり、思い腰をあげて病院へ行く気になる。だがまずは今日が締め切りの案件を仕上げてしまわねば。


触診とかするのかなぁ。だとしたら毛糸のパンツに腹巻きまでしてると恥ずかしい? でもそんなこと気にして待合室にいる間に冷えちゃったらいやだしなぁ。ああだこうだと考えながら英訳の見直しと送信を終え、1時すぎに病院へ。


幸い待合室は驚くほどに空いていた。「どうしました?」お腹をこわしてしまいまして… 「ああ、下痢ね」 は、はぁ … 避けたかった言葉をズバリと言われてしまい、気分的に落ち込む。初診の受付を済ませて内科の前へ。医師の診断前に看護士さんから経緯をきかれる。なるほど、これなら医師の前でいちいち説明しなくていいからスムーズに診療ができるわけね、と思いきや、結局また同じ説明を繰り返すことになるのだった。いい年してお腹をこわしてるだけでも恥ずかしいのに、排泄物の状態を具体的に、だなんてもう本当にいやになっちゃう。これがまた若くてカッコイイ先生だったりしたら泣きたくなっちゃうところだけど、幸いそういう先生じゃなかった (失礼な患者)。


ノロウイルスなどという思いもかけない言葉が先生の口から出てビックリ。そうじゃなければ食あたりだろうって。そのどちらなのか、症状だけでは区別がつかず、見極めるためには排泄物を検査に回す必要があり、その検査は保険の適用外で高額な上に、見極めたところでどちらも治療法は同じだからたいして意味はないそうな。へぇ〜。そもそもただの風邪さえ年に一度ひくかひかないかというぐらい丈夫で、巷でどんなにインフルエンザが猛威をふるっていようとも、かつて一度もかかったことがない。それだけにノロウイルスなんつう 「はやりもの」 には縁がないと思うんだけど、食あたりの原因にも心当たりがないんだよねぇ。でも先生によると、たとえば外食をしても調理師の手や食器、テーブルなどに原因となるモノがひそんでいないとは限らないから、一度に何人もが同じ症状を訴えない限り原因を特定できないことも多いそうな。


問われるままに、食べるとすぐにトイレに行きたくなるのでほとんどろくに食べていないことを伝えた後、「何を飲んでます?」 ときかれたので、「珈琲かプーアール茶」 と答えると、「ダメですよ!」 と先生。お腹がこんな状態のときにカフェインは良くないし、プーアール茶をはじめとする中国茶の多くは腸の動きを活発にする作用がある分、下痢を触発しやすいんだそうな。そういえばそうだよねぇ。プーアール茶は単に珈琲をつい飲みすぎてしまうから代用に飲み始めたもので、効能なんて考えたことがなかった。一番いいのはやっぱりポカリスエットなどのスポーツ飲料で、冷たいのが苦手なら常温または少し温めて飲むように、お茶を飲みたければカフェインのない麦茶かはと麦茶にするように、と指示された。


「実は明日、外出する予定なんですけど …」 とおそるおそる切り出すと、「自分がつらいだけですよ」 とバッサリ。ろくに食べていなくて体力も落ちているはずだから、症状が改善されるまでは家で安静にしているようにと言われてしまった。あまり強い薬はのまない方がいいから、と整腸剤を処方され、あとはひたすら、脱水症状を起こしているので十分に水分をとりつつ、水分と一緒に身体から出てしまっている塩分も補給しながら、お腹にやさしい食べ物で栄養をつけ、おとなしくしていなさいって。あうう。


仕方がないので病院を出た後、油絵の教室に欠席届を出す。もともとレギュラーの生徒は4人だけの小さな教室だし、私のほかにもうひとり家庭の事情で休まざるを得ない人がいたので教室自体がお休みになってしまった。申し訳ない〜。


この際だから不精をきめこんでしまおうとレトルトのお粥を何種類かと、栄養をプラスするための卵と、常温のスポーツ飲料を買い込んできた。近場をちょっと回っただけなのにヘロヘロ。さすがに体力が落ちているらしい。おそらくは気分的な問題で、仕事の続きをする気がすっかりなくなってしまい、夜はテレビで中村勘三郎の襲名密着ドキュメントを見ながら、ところどころ涙が止まらなくて大変だった。昨年秋に鬼籍の人となったベテラン役者の亡くなる直前のやつれきった姿が痛々しくて切なくて…。


なんやかやで午前1時半すぎ。まだ整腸剤は1回しか飲んでいないので、ギュルンギュルンは治まっていない〜。