まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

二段重ね

maru992006-12-18

6時半のアラームで起床。ホテルには珍しい京都ならではの障子の窓を開けると、雨は降っていないけれど道路が濡れていて空も真っ暗。あらら、あいにくの天気らしい。粉末を溶かすタイプのお茶というのは京都らしいのかどうかビミョーだけれど、とにかくそれで喉を潤し、7時ちょっと前に着付けをスタート。ホテル室内の狭い通路の姿見を使っての着付けなんて初めてだから手こずるかと思いきや、昨日と同じ着物だからかえって着やすく、思いがけず20分ぐらいで終わってしまった。ビックリ。


ひと息ついて、7時半ぐらいにビュッフェスタイルの朝食。普段は洋食を選ぶことが多いのだけれど、やっぱり京都といえば和食でしょ。でも食後はやっぱり珈琲。ゆっくりくつろいでいる間に、中庭の空がだいぶ明るくなってきた。


9時のお迎えに間に合うようにチェックアウト。フロントの前にもう店長さんがいらしていた。おはようございます〜。タクシーで着物のイベント会場へ。このイベントに出るからこそご招待頂けるのでパスするわけにはいかない。まず入口に展示されているド派手な衣裳に目を奪われる。美川憲一、伍大夏子らが紅白で実際に見につけた衣裳のキンキラぶりもさることながら、『四天王楓化粧 (してんのうもみじのえどぐま)』 で猿之助が使った衣裳が凄かった。これだけの重そうな衣裳を着てカツラをつけて宙乗りして動くんだものねぇ。猿之助が今は舞台から離れているだけに感慨深く見た。これらの衣裳は千地泰弘さんという方の手になるもので、HPに美川さんと猿之助の衣裳の写真が掲載されているので、興味のある方はこちらをどうぞ。


他にもいろんな作家さんの作品がズラリと並んでいる中で、自然に足が向かった先は琉球織物。紅型はもちろん八重山上布に首里織芭蕉布に花織に…。ああ、まだ沖縄熱が冷めやらない。


イベント会場を一巡したあとは、夕べ南座で頂いた吉兆のお弁当に勝るとも劣らない豪華なお弁当をご馳走になり、新幹線の時間までしばし観光。お寺は昨日も何箇所か回らせてもらったので、今日はまず、ホテルからほど近い 「便利堂」 に連れて行ってもらった。美術はがきのギャラリーで、まさに百花繚乱。ワクワクしながら店内をくまなく歩き、特に気に入った数枚を購入。神保町にも最近支店がオープンしたそうだから、機会があったら行ってみよう。


次に向かったハンディクラフトセンターは、なんのことはない外国人向けのみやげ物店で期待はずれだったけど、たっぷりあちこち見せて頂いたからもう十分。余裕をもって駅に向かい、2日間お世話になったドライバーさんとお別れ。クローバーが目印のタクシー会社で、1380台のほとんどが三つ葉だけれど4台だけ四つ葉があって、それに乗り合わせるともらえる記念のシールを特別に頂く。なんてことはないシールだけれど、心遣いがうれしい。


担当さんはお店へのお土産を買い、2人とも荷物が結構重くなってしまったのであまり歩き回る気にならず、喫茶店でコーヒーブレイク。3時26分発の新幹線で5時46分に東京駅到着。お店に帰る担当さんと本来なら同じ方向なのだけれど、私は山手線で原宿に向かう。なんとこのあとNHKホールで井上陽水のコンサート! オークション詐欺にあいながらもあきらめきれず、別のオークションでめでたくチケットをゲットできたものの、その後に京都旅行の話が決まったものだから、間に合うように新幹線を手配してもらった。原宿からは徒歩10分程度の距離だけれど、荷物が重いのでタクシーに乗る。着物で陽水。場違いだけれど仕方がない。


陽水のファン歴は長く、小学校の卒業文集にも好きだって書いたぐらい。でも生のコンサートはとっても久しぶりだったので、ひとりでステージに現れた陽水がアコースティックギターでいきなり歌いだした時にはもう鳥肌が立ってしまい、思いがけず涙がこぼれてしまった。相変わらずユニークなトークをまじえながら、ひとしきりアコギで懐かしい曲の数々を歌った後、後半はバンドメンバーと一緒にアップテンポで盛り上げる。客席は予想通り年齢層がかなり高めだったけれど、アンコールでは総立ち。「夢の中へ」 でピークに達し、着物でディスコ状態 (もうディスコって死語だよね)。これでラストかと思いきや、陽水は再びアコギを手に取り、「傘がない」 を歌い始める。見かけはともかく、声はちっとも変わらない。やっぱり好きだぁ。


大満足のうちにNHKホールをあとにし、明治神宮前駅に向かう。荷物は重かったけれど、余韻を楽しみながら徒歩でテクテク。千代田線で自宅の最寄り駅まで来た後は迷わずタクシー。近距離なので申し訳ないと思ったけれど、意外にも 「どうぞどうぞ、どんどん乗って下さい」 と言ってくれた。「近距離だといやがるドライバーもいるけどね、何様だ、って思うんですよ。乗って頂いてなんぼなんだから」 と熱弁をふるう運転手さん。そうだそうだ!


帰宅後、そういえばコンサート前に携帯をオフにしたままだった、と電源を入れると、同期会のしおりが届いたよ〜、というメールがあちこちから届いていた。うんうん、頑張った甲斐があったなぁ。


右肩がメリメリ悲鳴を上げていたのでじっくりマッサージをした後、のんびりお風呂に入り、疲れているんだから早く寝ればいいのにどういうわけか4時すぎ。どうしてこうなっちゃうのかしらねぇ。