まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

おでん定食 (ボケボケ〜)

maru992008-11-24

10月は芝居三昧の間に仕事が山積みだったから、時間との戦いで着物を着るどころではなかった。だから今月は夜の部の日に久しぶりで着るつもりでいたのに、朝から雨。しかも夜までずっと降り続くという予報。それでもたとえば誰かと待ち合わせ、なんていうモチベーションがあれば着付けを頑張る気にもなるけど、今日はそんな予定もないので、結局やめてしまった。暑い時期に着ないのは毎年のことだけれど、今年はまだ1〜2回しか着ていないような…。着物を着るようになってから、こんなに着ないのは初めてかもしれない。


歌舞伎座へ向かう途中、そういえば油絵の教室でご一緒しているWさんの誕生日だと思い出し、ケータイからお祝いのメールを送る。WさんはPCでもケータイでもネットには接続しない方だから、そのまま読めるデコメール歌舞伎座に着く前に返信がきた。デコメールにも縁がなかったようで、喜んでもらえてよかった。


さて吉例顔見世興行の夜の部。千秋楽が手織教室と重なってしまったので前日にしたものの、休日だから誰かいるかも、と見渡してみたけれど、珍しく知った顔がまったく見当たらない。ちょっと寂しい。食事の用意をしてこなかったので、寒いから温かいものを、と久々におでん定食を注文したら、限定20食の最後の1食だった。ラッキー♪


おなじみの 『寺子屋』 は、仁左衛門藤十郎の松王・千代夫婦、梅玉魁春兄弟の源蔵・戸浪夫婦に、段四郎の玄蕃。園生の前は孝太郎、若君は千之助で、松嶋屋三代がそろう。海老蔵の源蔵で観たのがつい最近のような気がするのに、上演記録によれば去年の12月。もう1年近く前だなんて信じられない!


松王が二度目に登場する時の黒い紋付袴の衣裳に桧垣の文様が入っていて、とってもお洒落だった。この場の戸浪は焼香の準備やらなんやら大忙しで、邪魔にならないよう控えめに立ち働く魁春の姿に、石持の衣裳が今一番しっくり来る人なんじゃないかと思った。


圧巻は藤十郎の千代。たまに派手に泣きすぎる千代もいるけど、感情表現は極力抑えながら、子供を亡くした悲しみが切々と伝わってくる。仁左衛門とはひと回りも年が違うのに、そうはとても見えない若々しさ。あくまで武士の女房として夫の陰に控えていながら、艶と華があるのよねぇ。


続く 『船弁慶』 は左團次さんがご出演♪ 途中でも幕切れでも私の真正面が立ち位置だったので、嬉しくて思わず頬がゆるんじゃう^^ 美しい静御前と勇壮で荒々しい平知盛とをひとりの役者が演じ分ける。女形はどうしても平知盛の力強さに欠けることが多いし、素晴らしい知盛を見せてくれる立役は静御前としての姿がイマイチ厳しいこともある。そこはさすがに菊五郎。兼ねる役者の系譜なのよねぇ。


最後の幕は、三代目中村時蔵五十回忌追善供養の 『嫗山姥』。仇討ちを妹に先を越され、別れた妻にもなじられた不甲斐なさにいきなり自害する夫。その最期の言葉通りに夫の臓腑を飲み込んだ妻は懐胎し、やがて生まれる子供は坂田金時つまり金太郎。荒唐無稽すぎるよねぇ。そんな奇跡を起こす力があるぐらいなら、仇討ちだって成功しそうなものだけどぉ … なんてことは言いっこなし。元結に文を使うのってお洒落だよねぇ。


大満足で歌舞伎座を後にし、ケータイの電源を入れたら、同級生からメールが届いていた。先週末に早すぎる忘年会で集まった時の幹事からで、早くも新年会のお知らせ。早々に恩師からご招待があったそうな。早すぎ〜!