まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

沖縄旅行 4日め

7時半の目覚ましでスッキリさわやかに起きると、窓の外がなにやら曇っている。昨日とまったく違う空。テレビの天気予報も思わしくない。昨日のうちに川平湾に連れて行ってもらったのは大正解だったなぁ。そう思いながらバッグに折りたたみの傘を入れ、8時すぎに朝食のレストランへ。昨日と一昨日の教訓がようやく生きて、主食をパスして腹八分目。ゆし豆腐とゴーヤーのピクルスがお気に入り♪


9時半にホテルの送迎バスで港まで。地図を見ながらバスターミナルをめざす途中、「どちらから?」 と声をかけられた。神戸から来たサラリーマンで、ただなんとなく声をかけてきたわけではなく、自分の帰るべきホテルが分からなくなってしまって地図持参の私に頼ってきたのだった。極めつけの方向音痴の私が石垣島で道案内をするなんて!


10時ちょうどのバスに乗る。乗客は私ひとりでマンツーマン状態。日差しが強いのでサングラスをかけた運転手さんが 「お客さん、どこまで?」 と気軽に声をかけてくる。BGMはNHKのラジオ。タクシーじゃなくてバスよバス! 「みんさー工芸館」 前で下車してお辞儀をしたら、運転手さん、手を振ってくれたので振り返す。なんだか楽しくなっちゃった。


事前に電話で予約した時点では午後から体験の予定だったのだけれど、早々に始めさせてもらうことにして、糸の準備ができるまで資料館を見学。みんさー織の歴史も工程もとても興味深くて、8分間のビデオをじっくり見た。その間、夏川りみの歌がずっと大音量で流れていたのはどうかと思うけど、彼女の紅白の衣裳がミンサー織だったので仕方ないか。石垣島出身のBIGINも一緒に歌っていたしぃ。


いよいよ体験。コースターからテーブルセンターの小と大、タペストリーと4つのコースがある中で、迷わず一番大きなタペストリーをチョイス。ここでもすでに縦糸はセットされていて横糸のみなのだけれど、首里織とはまた違って実に面白い。横糸を引く力が一定しなくてなかなかそろわないのは首里織と同じで、そこが苦労するところ。首里織の方は時間が短かったから織る作業以外はすべてスタッフまかせだったけれど、タペストリーは3〜4時間かかる長丁場なので、途中で糸を替えたり、織り終わった部分を巻き取って織り機の位置を調整したりする作業もすべて教えてもらい、途中で糸の取り方を間違えた箇所も自分で直せるようになるといっそう面白くなり、どっぷりはまる。12時からの昼休みにはスタッフさんの休憩所で一緒にくつろぎ、午後から再開。その間にもスタッフさんだけじゃなく、団体を連れてくる観光バスの乗務員さんたちともオシャベリしたりして、とっても楽しいなごやかな時間。だんだん無心になりつつせっせと機織作業にいそしむうち、70cmのタペストリーが完成! ひと休みしている間に携帯をチェックしたら、知らない電話番号からたて続けに3回も着信していた。かけ直すとJTBで、明日の石垣空港から那覇までの便が欠航になったので調整が必要だという。えええ。慌しい思いをするよりは早めの便を、とお願いして、再度の連絡待ち。


タペストリーだけでは飽き足らず、今日は他になんの予定も入れていないことだし、さらにテーブルセンターの大きい方もやらせてもらう。だいぶ手が慣れてきたのと、タペストリーは太い糸1本と細い糸数本の多色どりだったのに対し、こちらは太めのより糸なので扱いやすいこともあり、かなりのハイペースでスイスイ進む。楽しいなぁ。もっとやりたいなぁ。でもそうもいかない。く〜っ!


テーブルセンターの完成とほぼ同時にJTBから連絡があり、早い便は満席で、予定より遅い便しかとれないという。それだと那覇空港での乗り継ぎにジャスト1時間しかなくて、搭乗手続きの手間を考えるとほとんど余裕がない。那覇空港でお土産を買いそろえる予定だったのになぁ。でも他に手立てがないんじゃ仕方がない。そのやりとりの間にさらにメールが。急ぎの仕事?! ああ、恐れていた事態が…。添付ファイルを確認できないのでとりあえず分量だけきいてみると、パワーポイントというソフトで作成した書類だという。幸か不幸かそのソフトは需要がごく少ないので導入していない。なのでやむなくキャンセル。へへっ。


たっぷり5時間以上も体験させてもらった上に売店でしっかり買い物もして、本来は事前にホテルに連絡を入れ、1時間に2本しかないバスで港に戻り、港からホテルの送迎に乗り継がなければいけないところ、体験の間ずっとつきっきりで教えてくれたスタッフさんがたまたま私が泊まっているホテルのすぐ近くにお住まいで、車で送って下さるというのでお言葉に甘えることにして、足のない苦労もどこへやら、5時半に勤務終了の彼女の車でらくらくホテルに帰還。車の中でのオシャベリもあったかくって楽しかったぁ。


修学旅行生とのガチンコを避け、夕食は7時すぎから。夕べは和食だったから、今日は洋食のコース。またまた泡盛のシークワーサー割を飲んじゃう。八重山牛のステーキ、やわらくて美味しい。付け合せは青パパイヤの炒め物。これがまた独特の食感でいい。つい食べ過ぎてしまうのでパンには手をつけず、それでもお腹いっぱい。泡盛が美味しくてじっくり楽しんでいたら、「よろしかったらどうぞ」 と特別に豆腐ようが出てきた。昨日の夕食の際、ベストマッチだって絶賛したのを覚えていてくれたのね。遠慮せずに頂く。う〜ん、やっぱり最高! 再び絶賛したら、「ちょっとお待ち下さい」 と足早にどこかへ行ったウェイターさんが 「どうぞ」 と差し出してくれたのは、泡盛 「請福」 のカラフルなのれん。しかも大量生産されている銘柄とは別の 「直火請福」。「のれんなんてあまりお使いにならないでしょうけれど、せめてもの記念に」 というお言葉に、ありがたく頂く。このウェイターさんとは夕べに続いて今日もたくさんいろんな話をして、食事自体にそれほど時間がかかるわけではないのに、今夜もたっぷり2時間強。旅先での食事は地元の人との係わり合いがあっていっそうすばらしいものになるのよねぇ。


… というわけで、初めての沖縄旅行もあとはもう帰るばかり。10時をすぎたホテルのロビーは修学旅行の学生たちでにぎやかだけれど、これから大浴場でじっくりあったまり、旅の余韻をかみしめながら沖縄最後の夜を堪能しよう。あああ、寒い東京に帰りたくない〜っ!!!