まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

こんぴらツアー2日目

maru992006-04-16

携帯のアラームで6時にシャッキリ起床。あっという間に布団を上げて、朝風呂に向かう。夕べは屋内の大風呂だったから、今度は露天風呂。ここでも、夕べのうちに露天風呂に入ったので大風呂に向かう人、お風呂はパスして部屋にいる人と、それぞれ自由。皆さんの即決、即行動の迅速さが気持ちいい。


それほど長く入ったわけじゃないのに、なかなか汗が引かない。その汗が引くまでの間に着るべく作られた浴衣ってすごいなぁ、と日本人の知恵にあらためて感心。それぞれに身支度したりお茶を飲んだりしている間もシーンとしていることがない。とにかく楽しいオシャベリがず〜っと続いている。すごい。


朝食の後すぐ出発だし、琴平のホテルに着いてからも着替える時間はなさそうなので、芝居小屋がズラリと並んだ柄のちりめんのプルオーバーに自分で作った組紐をベルト代わりに締めて、隈取柄のハッピを羽織るというキワモノファッションで、朝食の部屋に向かう。昨日の夕食に続いてウチのグループが一番乗り。夕べあれほど食べてお腹いっぱいだったのに、しっかり食べられちゃうのよねぇ。


早めに食べ終わって20分強の余裕ができたので、ホテルからすぐ近くの石手寺に向かう。ちょっとの時間も無駄にしないで、とことん楽しんじゃおうという姿勢が素晴らしい。常に前向き、常にアクティブ。


ホテルを後にして、バスで道後温泉駅に向かう。9時ちょうどに動き始めるからくり時計を見に、観光客が集まる。『坊ちゃん』 の登場人物が次々に現れるからくり時計の解説をしてくれるのも、小説から出てきたようなお巡りさん。マドンナは2人もいて、観光客のリクエストに応じて写真に加わり、笑顔をふりまく。時計の広場から駅前に移動し、男性は 「坊ちゃん」、女性は 「マドンナ」 と書かれたチャンチャンコを羽織って、坊ちゃん電車をバックに記念撮影。(私はもともとハッピを着ていたのでチャンチャンコをパスしたのだけれど、できた写真を見たら、ひとりだけ黒でやけに目だってしまった!)


再びバスに乗り込み、琴平に一直線。今回のツアーは、各地で歌舞伎講座を開いていらっしゃる先生をリーダーに、講座の参加者プラス若干の部外者という顔ぶれで、私はその部外者のひとり。ホテルに到着後、ひと間を貸し切り、先生にこれから観る演目の解説をして頂く。芝居の登場人物に 「葛城」 という女性がいて、ワープロでも 「かつらぎ」 で変換すれば出てくるし、実際の舞台でも 「かつらぎ」 と発音されているのだけれど、本来は 「かずらき」 が正しく、能ではそう発音されているという。なるほど〜。先生のユーモアあふれる語り口にすっかり魅了されてしまった。


昼食はホテルの隣りのレストランで、釜揚げの讃岐うどんにチラシ寿司におかずもたっぷりの豪華版。さすがにチラシ寿司は食べきれなかったけど、それ以外はほぼ平らげる。第一部の初めの演目が終わっているはずの時間なので、その演目にご出演の三味線の方にメールを入れる。ひょんなことからミクシィでメッセージのやりとりをするようになり、到着したら連絡をすることになっていた。すぐに返信が来て、よかったら楽屋へ、という嬉しいお誘い。同室の皆さんにお伝えすると、喜んで同行して下さるとのことなので、金丸座に向かう坂の途中にある鳴物さんの楽屋へ。ご出演の演目が終わったばかりなのだから当然といえば当然だったのだけれど、お食事が終わったばかりでまだ器も出たままのようなところへ押しかけてしまい、申し訳なかった。でもとってもにこやかに対応して下さって、写真にも気軽に応じて頂き、とっても嬉しかった。すぐに失礼しようとすると、「まだ第一部が終わっていないから早すぎるでしょう」 って、いえいえ、終わってからでは遅いんです! 升席で升の中のどの席になるかは早いもの順だから、早く行って並ばないと。「そうなんだぁ。大変だねぇ」 って、そうですとも! ファンも結構、大変なんですよぉ!


いよいよ金丸座。同じツアーの中ではウチのグループが一番乗り。ああ、久々の金丸座。並んでいる間もじっとしていられないぐらいに嬉しくて仕方がない。ドーンドーンと花火が鳴って、開場の時間。ドドッとなだれ込む。東の桟敷席で、ウチのグループは2つの升に分かれてそれぞれ升の中の最前列を確保。開演を待つ。ああ、もう、この空間にいること自体が嬉しくて嬉しくてどうにもならないのよ〜!!!


芝居の詳細は 「ミーハー芝居帖」 に譲ることにして、ほぼ3時間の濃厚な舞台空間を心から堪能。そうそう、これよ。金丸座はこれなのよ〜っ!!! 劇場を出た後も、みな興奮冷めやらず、声高に歌舞伎談義でも盛り上がりながらホテルへ。すぐに夕食の時間。


大広間に行くと、添乗員さんが私のところへ来て、乾杯の音頭に先生が私をご指名だと。えっ! えええ〜っつ?! その理由がすごい。「最年少だから」。そういえばつい最近までお手伝いをしていたとある歌舞研の理事会でも私が最年少だった。この年で最年少でいられるのは、総じて年齢層の高い歌舞伎がらみの世界ならではだなぁ。… なんて喜んでる場合じゃなかった。かつてはやたらと結婚式のスピーチをやらされていた時期もあったけど、スピーチなんて退職のあいさつが最後だし、乾杯の音頭なんて一度もやったことがない。何をどう話すか考えるような余裕もなく、ぶっつけ本番でとにかく乾杯の音頭をとる。心臓バクバク〜。


夕食の後、ラウンジでビンゴ大会があると聞き、みんなで出かける。行ってみると、ピンクのワンピースを着たなんとやらいう歌手の歌謡ステージの真っ最中。なんと金丸座に出演中の役者の面々も何人かいて、盛んに声援を送って盛り上げている。私たちはステージからはいちばん遠いテーブルに陣取り、彼女の歌には正直興味がなかったのだけれど、浴衣姿の三津之助さんが歌に合わせて即興で踊り始めた! その途端、カメラを持参で最前列まで突進、大笑いしながら撮りまくり、「大和屋〜!」 と声までかけて、歌い終えた彼女に 「私の時よりずっとカメラのフラッシュも声援も多かった」 と言われてしまった。ごめんね〜。


クジ運のない私は案の定なにも当たらなかったけれど、ウチのグループから2等賞が出てビックリ! 当たったのはズシンと重い讃岐うどん30人前! ビンゴもショーも終わった後、まだ残っていらした役者さん達にご挨拶。三津之助さんから、6月に浅草公会堂で行われる坂東三津五郎一門の舞踊研究会 「たけのこ会」 にお誘い頂き、必ず伺うお約束をする。さらに秀調さんはじめ皆さんにお願いしてご一緒に写真を撮らせて頂いた。個人的には、新七さんと写して頂いたのがとっても嬉しかった〜!


部屋に戻って、すぐお風呂。お風呂の中でも、部屋に戻ってからも、ず〜っと歌舞伎の話で盛り上がりっぱなし。日付が変わったところで、ようやく就寝。でもなかなか寝付けない〜。嬉しすぎちゃったせいかも。