まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

母の日なので…

maru992005-05-08

母の日で花屋はどこもにぎわっていた。白いカーネーションは買ったことがない。お寺に行く時も、いかにも仏様の花という感じの花束がイヤで、自分で花を選び、必ず赤いカーネーションを入れていた時期もあった。20年も経つとそんなこだわりもなくなり、自宅では母のために花を買うということすらしなくなってしまったけれど…。子供の頃は、母の日と言えばタバコをプレゼントしていた。あの人のいちばん好きなモノだと思っていたから。タバコは身体に悪いと知ってから養命酒に変えたんだけど、ちっとも飲んでないみたいだったな。モノよりお金の方がいいって言われてケンカしたこともあったな。… と、つらつら思い出してみたりするのが私の母の日。


午後は赤坂の草月ホールへ。イッセーさんは13年前にこのホールから旅公演をスタートさせたそうだけれど、私にとっては、2階席のある劇場でイッセーさんの舞台を観るのは初めて。ロビーではいつものようにフリードリンク&フリーフード。近くにカップルが座り、彼氏の方が 「食べ物まであるなんて驚いた」 と言うと、彼女は 「ううん、何度も来てるけど、こんな演出は初めてだよ」 だって。コラ〜ッ! 知ったかぶりしてウソついちゃいか〜ん! スタッフが毎回苦労して工夫をこらしてるのに。ロビーの一角では、立木義浩さんによるイッセーさんの写真展。これは今回初めてで、一部は絵葉書として販売されていた。チェロを弾くイッセーさんの写真がとてもよかったので、5枚を選んで購入。山藤章二さんもいらしていた。似顔絵の達人の目に、様々なキャラクターになりきるイッセーさんはどんなふうに映るだろう。ロビーに飾られたたくさんの花のひとつは、なぜか松緑からのもの。どこに接点があるんだろう? G列だから7列目だと思っていたのに、A列の前に5列も特別席ができていて、最近かなり前の方の席で観ることが多かったから余計にイッセーさんを遠く感じてちょっと寂しかった。しかも隣りのオジサンが最初からずっと居眠りしていて、私の方によりかかってくる。何度やんわりと押し返しても戻ってきちゃう。どんなに面白い舞台でも眠いときは眠いし、私にも経験があるから分かるけど、すっごく迷惑。スタッフと親しく話していたから関係者だと思うんだけど、義理で来たのか?


前回のクエストでの公演ですごく好きだった 「トモコおねえさん」 というキャラがパワーアップして再登場。イッセーさんが女性のチェロ奏者として小学校に招かれ、グリム童話のいろんなキャラクターがまぜこぜに出てくる物語をチェロによる擬音をまじえて語り聞かせるというスキットで、これが本当に面白い。子供たちの想像力をかき立てる力が十分にあるし、情操教育にもとってもいいと思う。イッセーさんがドイツで共演したグループのひとりから、眠り姫が目覚めるのは王子がキスしたからではなく、たまたま魔女が呪いをかけた百年が経ったからだという話をきいて、それが発想のヒントになったそうな。アルパでも蒸気機関車の音や鳥の声を真似る奏法があるんだけど、同じように擬音で物語ができたら素敵だな。


他のキャラクターももちろん面白くて、いつもながら大満足の舞台。イッセーさんグッズを購入すると終演後にサインしてくれることになっていて、絵葉書の1枚にサインしてもらうつもりでいたのだけれど、今日のキャラクターのひとつが作務衣にバンダナ姿で山にこもる詩人で、作務衣ってやっぱり 「ちょっと変わった人」 を表す符合なのかなぁ … と思ったら、私も例によって作務衣で行ったからなんとなく気恥ずかしくて、サインを求める列にはならばず帰ってきちゃった。


今日はスポーツクラブをパスせざるを得ないので、代わりにウォーキングのつもりで、青山一丁目の駅を通り過ぎて表参道まで歩くことにする。246を一直線だから、方向音痴の私でも迷う心配はない。紀ノ国屋の仮店舗とナチュラルハウスに寄ってあれこれと買い込み、すっかり遅くなってから帰宅。夜道をのんびり歩いていたら、自転車で追い越して行った男の子の手にカーネーション2輪のシンプルな花束。ちゃんと 「お母さんありがとう」 って言いながら渡すのかな。それとも無言で? こっそり飾っておくとか? な〜んて考えてホンワカ気分。