まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

ホテルのロビーで

maru992005-03-23

またしても8時半にセットした目覚ましを無視して二度寝してしまったらしく、予定より約1時間遅れで、あいにくの雨の中を上野に向かう。東京都美術館ミュシャ。かなり混んでいるとはきいていたけれど、終了間近ということもあり、もう半端じゃない混みよう。遅々として進まない列に加わり、次の絵までまだだいぶ距離があるところで列が完全にストップしてしまい、はぁ…と思わずため息をつく。ん? 私の前にいる人、ひょっとして? と思ったらピンポ〜ン。なんと絵の教室のメンバー。待ち合わせたわけでもないのに、この混雑の中で同じ時間に列の前後に居合わせるなんて!


ミュシャといえばポスター画というイメージが強いけれど、今回は初公開の油彩やパステル画も数多く出品されていて、とても面白く、特に油彩の深い色合いに強く惹かれた。絵ばかりでなく、ブロンズ像まで作っているなんて知らなかったなぁ。写真もたくさんあって、絵と同様に構図がとても優れている。もともと好きだったミュシャがますます好きになっちゃった。すでに持っている画集はポスター画ばかりのものなので、迷わず図録を購入。調子に乗って、ブックカバーと小物入れまで買っちゃった。油彩の絵葉書もほしかったんだけど、売店のあまりの混みように即座に断念。展示の内容には大満足だったけど、地下1階から地上2階までの広い会場をくまなく歩いて疲れた〜。


せっかく偶然会えたメンバーとお茶でもしたいところだったけど、お互い予定がつまっているのでそのまま駅に向かい、彼女は新宿へ、私は渋谷へ。ユーロスペースで念願の トニー滝谷を観る。不精な私が誰に誘われたのでもなく自分からひとりで映画館に行くのってとっても珍しい。それだけ観たかった作品。なんといっても主役がイッセーさんだ。相手役は宮沢りえ。どう評すればいいのだろう。不思議な映画だった。観終わった直後よりも、あとになってじわじわとよさが分かる映画、とイッセーさんがインタビューで答えていたけれど、まさにそのとおり。直後には、全体の透明な色調と心地よい音楽(by 坂本龍一)の印象が強く、イッセーさん演じる夫のあのときの心情は…と思いをめぐらすにつれ、画面の中のイッセーさんの表情が甦り、数少ない台詞が胸にしみてくる。登場人物が台詞だけを口にするのでなく、おそらくは村上春樹の原作そのままの文章をまるでナレーションのように語る部分もあるのが面白かった。ナレーションは西島秀俊の声で入るのに、途中からイッセーさんの台詞に移ったりする。まるで歌舞伎の義太夫と役者の台詞の掛け合いみたい。もう一度観たいな。じっくりと。


コーヒーブレイクしながらちょっと編み物。さて、次は表参道だ。雨はやみそうにない。でもわずか1駅だけ電車に乗るのもかえって面倒だから、歩くことにする。超方向音痴の私でも、渋谷←→表参道ぐらいは大丈夫。青山ダイヤモンドホールで、「1200人の手描き食器展」。絵のメンバーの知り合いが出品しているそうで、チケットをもらったんである。陶器に絵付けをする教室の作品展ということらしく、たくさんのコースがあって、それぞれにテーマが違うので様々なバリエーションが楽しめる。ただ飾っておくことを目的とした作品よりも、あくまで食器としての実用性をかねた作品に惹かれる。西洋絵付けの多い中、やっぱりいちばん興味があるのは和陶だったりする。とはいえ自分も習ってみたいとは思わなかったな。作品としてのマグカップやお皿がどんどん増えたら困ってしまうから。


3つのイベントを回り終えて今日の予定はすべて終了〜。でもせっかく表参道まできたのだから、ナチュラルハウス に寄らないと。紀伊国屋にも寄りたかったんだけど、改装中で、仮店舗が遠かったからやめちゃった。


今日はよく歩いた〜。明日はできれば千秋楽の国立劇場に行きたい。でもチケット取ってないから、当日券があるかどうか…。