まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

maru992004-08-08

6時起き。7時45分の電車に乗ればいいから十分に余裕があるはずだったのに、なぜかバタバタとあわただしく、乗った電車は8時6分。アルパの弦にふれる時間もなかった。せめて2〜3回は曲を通して弾いておきたかったのに。まぁいいか。会場に着いてからでも時間はあるはず。…と思ったのが甘かった。9時15分の集合時間に5分ちょっと遅れて着いたらもうみんなチューニングを始めていて、私も急いで始めたけど、暑い中を運搬したから派手に音が狂っていていつもより時間がかかる。とうとう1回も曲を弾く時間がないまま、あっという間にリハーサル開始。でもきっと大丈夫。あれだけ練習したんだもの。家ではちゃんと弾けてたんだもの。そう自分に言い聞かせる。

私の出番は、休憩をはさんで第二部の最後の方で、24曲中20番目。第一部のリハーサルの間に、それは突然やってきた。自分のイントロが思い出せない! ドラソファドラソファドラソファと降りてきて、それからどんな和音を弾くんだっけ? あんなに練習した曲を忘れるはずがないのに、どうして思い出せないの?! パニック。幸い一部と二部の間にステージに並べるアルパを入れ替えるので、そのときにイントロを弾いてみた。すんなり弾けた。そうだったそうだった。こんな和音だった。あぁビックリした。

第二部のリハーサルが始まる。緊張している感覚はない。ドキドキもしない。これなら大丈夫。ステージに上がる。座ってアルパを構える。大丈夫大丈夫。深呼吸をひとつして演奏開始。イントロは問題なく弾けた。メロディが始まる。途端に指が震えだす。なんで?! ゆっくとした曲だから次の音に移るまでの間が長くて、その間、指がブルブルと震えっぱなしで弦がうまくつかめない。後半、若干持ち直したもののボロボロだった。くぅ〜っ! 

12時ちょっと前にリハーサルが終わって、1時半までに食事と着替えを済ませて集合との指示があり、さっさと食べて着替えを済ませて練習をする。ちゃんと弾ける。ほとんどノーミスで弾ける。さっき失敗したのは、今日初めての演奏だったからだ。いつも朝いちばんはうまく弾けないもの。とにかくそう自分に言い聞かせるしかない。ところが、忙しく走り回っている先生とちょっとだけ話す時間があって、「あんなに弾けないとは思わなかった」 と言ったら、先生は、「ゆっくりした曲は難しいから。今日の曲の中でいちばん難しいかも。私だったらいちばん弾きたくない曲」 なんてことを仰る。そんなぁ。そんなこと先生、選曲のときに言わなかったじゃないですか〜! にわかに動揺。ゆっくりした曲ってミスが目立つのは分かっていた。でもだからこそ、間違えても止まらずに弾く練習もした。きっと大丈夫。たくさんたくさん練習したんだもの。

1時半から集合写真を撮り、進行の手順を確認して、再びチューニング。まだ若干時間があるので曲を弾く。うん、ちゃんと弾ける。大丈夫大丈夫。

2時半開場。みんなリハーサルよりずっとうまく聞こえる。私もきっと同じはず。いちばん震える右手の薬指を握って念じる。しっかりしっかり。18番の人が終わったところで楽屋に入る。だんだん緊張が募ってくる。「失敗してもいいんですよ。楽しんで弾いてきて」 と先生。そんな余裕ありませんってば!

いよいよ私の番。ステージに上がる。スポットライトがまぶしい。深呼吸してイントロを弾き始める。ちょっと転んだけどセーフ。メロディが始まる。あぁまただ。途端に薬指が震え始める。リハーサルよりひどく震える。震える指が弾かなくてもいい弦にふれて音が出てしまうぐらいに。つっかえてメロディまで止まってしまった。弾き直す。また止まってしまった。弾き直すしかない。最後まで弾くしかない。長い長い4分弱。

客席はやさしくて、あたたかい拍手をもらってステージを降りる。でも更衣室に入った途端、やっぱり泣いてしまった。今まででいちばんの大泣きだった。次の人が弾いている間中ずっと泣いていて、その先輩が弾き終えて更衣室に入ってきてもまだ涙が止まらなくて、先輩は抱きしめてなぐさめてくれたけど、そうしたらますます泣けてきてしまった。あぁもう自己嫌悪。

1年目はトップバッターで、緊張して失敗もしたけど泣きはしなかった。2年目はいちばん好きなところが弾けなくてちょっと泣いた。3年目は、難しい曲を選んじゃったなぁ、という苦手意識が最後まであって、いちばん苦手な部分を本番ではなぜかすんなり弾けたのに、なんでもないところで大ポカをして情けなくて泣いた。でも今回は、今まででいちばん好きな曲で、自分でアレンジして、弾きにくいところはアレンジを変えて、自分なりにはいちばんうまく弾けていたのだ。なのにこの結果。習い始めて4年ちょっとの間に技術はそれなりに向上しているはずなのに、その成果が本番にちっとも反映されない。結局、私って指が震えるのを克服できない限り、どんなに練習してどんなにうまく弾けるようになっても本番では失敗するのだと思った。そう思ったら絶望的な気持ちになってまた泣けた。

「ひとつひとつの音がきれいに出ていた」 と言ってくれた人がいた。「アレンジがとっても良かった!」 と、それはみんながほめてくれた。「私も弾きたい。教えてほしい」 と言ってくれた人も何人かいた。それはとっても嬉しかった。でもアレンジがどんなによくたって、本番できちんと弾けなくちゃ意味がない〜。大泣きしたらスッキリしちゃって、今泣いたカラスがもう笑った状態。

先生とご主人のコンサートはいつもながら素晴らしく、アンコールもついて、終演。後片付けをして、10人ほどで、うどん屋で打ち上げ。8時頃におひらきになり、スタバで先輩を待つ。彼女は今回、出演せずに受付に回って、打ち上げを途中で退出してコーラスの練習に駆けつけるという忙しい中、私のアルパを家まで車で運んでくれると言ってくれて、片道運んだだけで肩がずーんと痛くなっていたので、ありがたくお言葉に甘えることにしたのだった。朝早かったから、待ってる間にスタバでひと眠り。

ついこの間オープンしたばかりの先輩のお店に寄って、手作りのプリンを頂く。美味しい♪ 「場慣れするためにここでコンサートやったら?」 と先輩が言う。それもいいかも…とちょっとその気になったりなんかして。

11時半帰宅。どよ〜んと疲れて、お風呂お風呂。萩尾望都の 「残酷な神が支配する」 の1〜3巻を持ち込んで入ったのが大きな間違いで、出てから全17巻を読破してしまった。読み終えたのは5時すぎ。何やってんだか。

いろんな人が応援してくれたのになぁ…。来年の発表会もきっとまた泣くんだろうなぁ。でも、それでもやっぱり出るんだろうなぁ。泣くぐらいなら出るのをやめよう、とは思わないのよね、なぜか。