まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

Lady Macbeth

観劇の予定は夜だったものの、なんといっても普段の生活が不規則なものだから、寝落ちしないようにしっかり寝ていこう、とアラームをセットした時間よりずいぶん早く目が覚めてしまい、もっと寝ないと、と二度寝をしたら今度は寝すぎてしまうという、ワタシ的あるある。

片付けものやらアルパの練習やらで、あっという間に家を出る時間。よみうり大手町ホールは初めてだけど、大手町駅に直結しているので私でも迷う心配はない。

ぴあの先行で取ったチケットは座席を選ぶことができず、受け取ってみたらかなり後方でがっかりしたけれど、倫也くんの舞台も志の輔さんの落語もとうとうチケット取れずじまいだったから、取れただけでラッキーと思うことにして、双眼鏡を持参。

今夜観るのは、天海祐希アダム・クーパーの共演が話題の「レイディマクベス」。

アダム・クーパーといえば、マシュー・ボーンの「白鳥」や「リトル・ダンサー」のラストシーンで衝撃を受けたトップダンサーで、その彼を日本語での演劇にどう使うのかに興味があった。ところが、最初からマクベスは寡黙という予防線のような設定で、彼が口にした最初の台詞は「もう疲れた」とカタコト。その後もほとんど台詞はなく、唯一、鬱積した思いを英語の台詞で一気に吐き出すような場面があり、もしかしたらその場面を強調するために他の場面ではあえて台詞を減らしたのかもしれないのだけれど、ダンスシーンは、天海さんとのごくごく短いワンシーンだけ。そのわずかな時間だけでも強い印象を残したのはたしかだけれど、この役にあえて彼を使う必要性はあったのか、疑問。もっと言えば、アダム・クーパーの無駄遣い。せっかくトップダンサーを招聘したのだから、ダンサーとしての魅力をもっと発揮できる場を作ってあげてほしかった。

レイディマクベスは貧苦の中で育ち、性被害も経験し、出産でキャリアを中断せざるを得なかったことでさらに権力を望むようになり、夫のマクベスをも殺して自分が王座につこうとする。そして最後には娘に殺されてしまう。天海さんはとても魅力的だったけれど、女性であるがゆえの苦悩を強調しすぎているような脚本に少なからず息苦しさを感じた。

ダンカン王は「鎌倉殿の13人」で大江広元を演じた栗原英雄さん。原作にはないマクベス夫婦の娘を吉川愛さん。他に鈴木保奈美さん、要潤さん、宮下今日子さん。要潤さんは「こっち側」の素顔が浮かんでしまい、まったくそうは見えないところがプロ。宮下今日子さんは八嶋智人さんの奥様なのね。舞台を観たのは初めてかもしれない。

18時半開演で21時頃に終演。どこにも寄らずにまっすぐ帰宅。天海さんの凛とした姿が今も目に焼き付いている。