まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

めぐりあう時間たち

メトロポリタン・オペラのライブビューイング、新シーズンの第3作「めぐりあう時間たち」の上映が2月3日からスタートしていて、いつもなら開始早々に観に行くのに仕事で忙しく、通常1週間限りの上映のところ東劇のみ23日まで延長されているのを幸いに、時間ができるまで先延ばししていた。そして今日、ようやく観ることができた。

ヴァージニア・ウルフの小説「ダロウェイ夫人」をモチーフにしたマイケル・カニンガムの「めぐりあう時間たち 三人のダロウェイ夫人」をケビン・プッツの作曲、グレッグ・ピアスの台本でオペラ化した作品(世界初演)で、映画版ではニコール・キッドマンジュリアン・ムーアメリル・ストリープが演じた3人をそれぞれジョイス・ディドナート、ケリー・オハラ、ルネ・フレミングが演じる。

1923年のロンドン郊外リッチモンドで「ダロウェイ夫人」を執筆中のヴァージニア・ウルフと、1951年のロサンゼルスでその小説を愛読しているローラ・ブラウン、2001年のマンハッタンに住み、ダロウェイ夫人と同じファーストネームのクラリッサ・ヴォーン。この3人の人生が時空を超えて交錯し、時には二重唱、三重唱も交えて同時に進行していく。異なる歌詞を同時に歌うことで2人、3人の物語がシンクロするのはオペラならでは、と指揮者のヤニック・ネゼ・セガンがインタビューで語っていた。また、グレッグ・ピアスは、原作にも映画版にも触れていない人のためにこの作品を書いたと語っていて、まさに私に当てはまる。

冒頭からすぐに引き込まれ、原作にも興味がわいて、休憩時間に図書館のサイトにアクセスしたら日本語版があったので、即予約。

ラストに3人の歌姫による三重唱の場面があり、いずれも幸せとはいえない状況にある女性の役で、それぞれに孤独だとしても、必ず誰かの人生に関わっている、だから「あなたはひとりではない」という歌詞に、涙腺決壊。長くひとり暮らしをしてきて、その行く末について昨日あれこれ考えたばかりだったせいもあるかもしれない。

3人の歌唱が素晴らしいのは言うまでもなく、最近はホスト役に回りがちだったルネ・フレミングの復帰も嬉しい限りで、いやぁ、良かった。素晴らしかった。

帰りに北千住に寄り、「おぼんdeごはん」は空席待ち用の椅子まで満席だったので諦め、マンゴーツリーというタイ料理のお店で「カオマンガイプレート」。辛さを表す唐辛子のマークがたくさんついているメニューが多く、マークが少なめの中から選んだのがこれ。ボリュームが多くて、どうにか完食したけど、お腹パンパン。

映画版も観てみたいけど、近くのツタヤはあと数日で閉店してしまう。amazon のうプライムビデオでも配信はされていないもののレンタルはできるみたい。でも、まずは原作を読んでから。