まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

歌舞伎座

千秋楽よりだいぶ早めに歌舞伎座へ。引き続き4部制で、座席も最前列をすべて空け、2列め以降も1つおき。これまでは四つ折りの簡素なパンフレットが無料配布されていたのが、今月から筋書が復活。

まず第一部は「蜘蛛の糸宿直噺(およづめばなし)」。土蜘蛛退治の物語を題材とし、猿之助が五役早替わりを見せる。真っ赤な衣装でおかっぱの女童、前髪の小姓、黒地の着物で年増風の新造に太鼓持ちから傾城と、次々に踊り分けていく。退治する側の源頼光を隼人、その家来を福之助と猿弥、その二人の女房を笑也と笑三郎。ラストはたくさんの蜘蛛の糸が放たれ、華やかに幕。

第二部の開演まで2時間近くあるので、有楽町まで歩き、東京駅に移動し、越前屋へ。今日は暖かくて、上着もなしで出かけたのに、速歩きで移動したせいか、越前屋に着く頃には額から汗が…。ホットフラッシュの再発かと思ったぐらい。

ニャンドゥティに使うDMCの8番の糸をいくつか買い足したほか、アンカーという別のメーカーから出ている8番のグラデーションの糸も購入。歌舞伎座に戻ると、ちょうど第二部が開場したところ。グッドタイミング。

第二部は一番楽しみにしていた「身替座禅」。だって菊五郎左團次さんのコンビなんだもの。怖い奥方様の目をかすめて若い恋人に会いに行こうとする殿様。何度観ても面白い。殿様の身替りで座禅を強いられる太郎冠者を権十郎、侍女の千枝・小枝を右近と米吉。楽しかったー。幸せなひととき。

全部を観るのはしんどそうなので、第三部はパス。ナイルレストランのムルギーランチで遅めのランチを済ませたあと、タリーズで待機。越前屋で買ってきた糸でチクチク。葉に使っていた3種類の糸のうち1つがどうも気に入らなくて、代わりになりそうな糸を2種類選んできた。そのうち第1候補は残りの2つの糸のうちのひとつと思ったより色が近くてアウトだったんだけど、第2候補のほうはしっくりきたので、よかった。

たっぷり2時間以上チクチクしたあと第四部。獅童が狐忠信を演じる「四の切」。染五郎義経と莟玉の静御前は、美しいというよりは可愛らしく、台詞もぎこちないものの、まだまだ若い二人だからねぇ。獅童の狐はなんともワイルド。大柄なこともあり、動きが大きく、キレッキレで、ロックのリズムを感じさせる。鼓のくだりでは、親狐を思う気持ちがジンジンと伝わってきて、愛おしい。コロナ対策の演出変更なのか、幕切れに狐の妖術で比叡山の法師を呼び寄せる場面はカットされ、衣装のぶっ返りもなく、狐の衣装のまま花道を六法で引っ込んでいく。これもまたシンプルでいい。

帰宅すると、近くの書店で手に入らず、ネットで注文した2冊の本が届いていた。波津彬子さんの「ふるぎぬや紋様帳」の最新巻と、ふかわさんの新しい本。どちらも読むのが楽しみ ♪

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