まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

maru992016-06-24

今日は歌舞伎座。今月はイレギュラーに三部制で、「義経千本桜」を3つに分けての上演でそれぞれの部が短時間なので、迷った末に1日かけて通しで観ることにした。そのために夕べは早寝して、しっかり睡眠時間を確保。

第一部は「碇知盛」で、まずは「渡海屋」と「大物浦」。染五郎の知盛に猿之助の内侍。安徳天皇を演じる市川右近の長男タケルくんが素晴らしい。単に可愛らしいだけでなく、ちゃんと見るべきところをじっと見て、視線があちこち動くこともなく、常に凛としている。だからこそ、ここまで育てたこの尊い小さき人を海中に沈めるのか、という乳母の嘆きが涙を誘う。

染五郎の知盛には懐かしさがある。というのも、もう十年以上前に「市川染五郎と歌舞伎に行こう」という本の編集に携わったことがあって、知盛の化粧をして衣装をつけるまでの様子をスタジオで撮影する時、国立劇場幸四郎が知盛を演じていて、「大物浦」の場面が終わり次第、その衣装が届く予定がなかなか届かず、撮影は中断。顔の血糊の形はこれでいいか、と今は亡き大先輩の升寿さんにきいたりしながら、待機している私たちに「お待たせして申し訳ありません」と何度も何度も、と気を遣ってくれていた。あの頃の染五郎は今よりもっと線が細くて、知盛のような役はニンにないと言われていたけれど、いい歳の重ね方をしているなぁ…と感慨深かった。

そのあとの舞踊「時鳥花有里」はとってつけたようで、なんというか、時間調整? みたいな (^^ゞ

第二部は幸四郎がメインの「いがみの権太」で、「木の実」「小金吾討死」「すし屋」と続く。染五郎の維盛に猿之助のお里。討ち死にまでの壮絶な立廻りで大奮闘するのは松也。錦吾の弥左衛門、秀太郎の小せん、高麗蔵の若葉の内侍に右之助のおくら、彦三郎の梶原と手堅い配役で、じっくりと見せる。充実した一幕。

第三部は「狐忠信」と題し、「道行初音旅」と「川連法眼館」。第一部では平家方の女官、第二部では町娘をしっかり演じ分けていた猿之助が武士から狐に変じ、「四の切」で躍動する。ものすごいジャンプ力。朝から出ずっぱりなのに、最後の最後にこれだけ走り回るって、一体どれだけ体力を使うのか。道行で染五郎静御前を演じたのは、そうでもしないと第三部に染五郎の出番がなくなってしまうからかなぁ。法眼館では笑也に替わる。門之助の義経が素晴らしかった。

一日通しで観た結果、個人的には「猿之助 Day」 だったなぁ。20時50分に終演。雨がちらついていたので、最終の21時50分のバスに間に合って良かった。写真は歌舞伎座でのお弁当 (^^)

帰宅後、明日の絵の教室用に、三層に分かれる「魔法のケーキ」に再挑戦。同じタイトルのレシピ本に載っていた基本のレシピでうまくいかなかったので、クックパッドのレシピを参考にしてみた。今度は成功しているといいなぁ。