なんだかねー。寝付けなくてねー。11日に予定されていた絵の教室をどうするか、メールであれこれ話し合って、結果的にひとまずお休みすることになったのだけれど、そのやりとりについて、もっと他にうまい言い方があったんじゃないかとか、あれこれ考え込んでしまったせいなのか、それとも単に「春眠暁を覚えず」の状態なのか…。
そんなこんなで、ベッドに入ったのは午前2時すぎだったんだけど、4時、5時、6時となかなか寝付けず、ようやく寝入って目が覚めたのは11時すぎ。そこで起きればいいのにモゾモゾしていたら二度寝をしてしまい、再び目が覚めたらもう14時すぎで、斎藤さんの OTTAVA Andante がすでに始まっていた。
それならば、と Andante はあとでオンデマンドで聴くことにして、まずはウィーン国立歌劇場の配信25作め、ヤナーチェクの「利口な女狐の物語」。一度も観たことがない作品なので楽しみにしていた。
1時間20分足らずの短い作品で、森の動物達と森番、密猟者その他の人間たちの物語。舞台となる森の舞台装置がとてもリアルで素晴らしい。多種多様な植物が植え込まれ、ほとんど生の自然そのもの。夜には背景に星がまたたき、ラストで朝日が差し込んでくる場面はそれはそれは美しい。
動物たちの造形もとても凝っていて、着ぐるみでも漫画チックになることなく、動きも工夫されていた。もちろん、すべて人が演じるわけだからサイズの問題は致し方なく、門番の顔を刺す蚊が門番と同じぐらい大きかったりするんだけども、そんなこと気にならないぐらいに惹き込まれた。
原作は新聞に連載されていた小説で、ヤナーチェク家の家政婦が夢中で読んでいたのが作曲家の目にとまったという。女狐が雄狐と結婚するところで原作は終わっていたのを結婚式の場面を第2幕の最後とし、第3幕では女狐が密猟者に殺されてしまう。その後、森番がかつて捕らえて飼おうとした女狐に思いをはせていると、子狐が彼の膝に乗る。第1幕に出てきたカエルが再登場、と思いきや実は孫のカエル。生命のサイクルを描こうとしたのだという。深い。
第3幕の森番の歌に、「今度はもっとうまく育てるぞ。俺とお前について、誰も新聞に書いたりしないように」と原作が新聞小説であることにサラッとふれているのが面白い。
チェコ語での上演で字幕もなかったので、全画面表示で観ながらスマホで対訳を参照。楽しかったー。
そのあとオンデマンドで OTTAVA Andante。プレゼンターの皆さんやスタッフの安全のために生中継はしばらく中止してもいいんじゃないかと、夕べのうちにメールを送っていたのだけれど、他のリスナーさんも多くが同じ気持ちだったようで、またOTTAVA の側でもきちんと考えていて、生放送は基本的にワンオペだし、スタッフやゲストを迎えるとしてもスタジオ内には2名まで、もちろん消毒その他の感染予防を徹底しつつ、公共交通機関が動いている間は生中継を続けたいと。一方、可能な範囲で自宅からの放送も試み、取り入れていくとのことだった。今はとにかく、じっと我慢。
聴きながら、油絵を進める。背景は雲ひとつない爽やかな青空なのに、絵の具を重ねていくうちに、まるで今の状況を反映しているかのように暗く、重くなってしまっていたので、トーンを上げてみた。
そんな今日もおやつはシャトレーゼ。
どら焼きの皮と最中の皮で、サンドされているこしあんの中には求肥。いろんな食感を一度に楽しめて、美味しい!