昨年12月に新橋演舞場で上演された歌舞伎版「風の谷のナウシカ」。前後編に分かれていることに気づかず昼の部のチケットを取りそこね、原作も読んだことがなかったので、前編のあらすじを筋書で予習して夜の部の後編だけを観た。
チケット完売の人気公演となっただけにリクエストが多かったらしく、ディレイビューイングという形で映像での公開が決定。上演後の上映だから遅れるという意味の「ディレイ」なんだろうけど、映像処理の点でMETのライブビューイングとどう違うのかはよく分からない。
実際の舞台を見逃した前編のディレイビューイングを今日、東劇で観てきた。やっぱり筋書で読んだだけのあらすじと違い、作品の世界観がよく分かって面白かった！
映像のいいところのひとつは顔がドアップになること。もちろん表情がいい場面を拾ってあるから、役者がことのほか魅力的に見える。特にクシャナを演じる七之助の怜悧な眼差しと、巳之助ミラルパの闇。
この作品はスーパー歌舞伎と一線を画し、伝統的な歌舞伎の手法にこだわっているのも特徴的で、スーパー歌舞伎でも躍動した若手の面々がまた違う一面を見せつつ輝いていて、頼もしさを感じる。
Eテレで放送された上演までの経緯もとても興味深く、役者だけでなくあらゆるスタッフの熱意で完成した舞台だったんだなぁ、と実感。
多くの人に観てほしいなぁ。
