まるぶろぐ

備忘録として日々の出来事をこまごまと綴っております

国立劇場

2日間の歌舞伎座に続いて今日は国立劇場。浅草歌舞伎はパスしたものの、それ以外の初春歌舞伎が今週に集中してしまった。

f:id:maru99:20200124114827j:plain
f:id:maru99:20200124114847j:plain

国立劇場の1月は毎年、音羽屋の復活狂言。今年は四世鶴屋南北の「御国入曾我中村」をアレンジした「菊一座令和仇討」で、開演前の舞台には定式幕を背景に大凧が飾られていて、白地に朱で「初春令月気淑風和」と大書されている。令和という年号の出典である万葉集の一節「初春の令き月、気淑く風和み…」から来ているらしい。

曾我十郎・五郎の兄弟の父である河津三郎祐康と妻の満江ではなく風折という女性の間に双子の兄弟が生まれていて、二人とも養子に出され、一人は「槍の権三」として知られる笹野権三となり、もう一人は「鈴ヶ森」でおなじみの白井権八という、ないまぜの世界。この設定だと、助六=曾我五郎だから、助六権八は異母兄弟。

鈴ヶ森の場面もあって、菊之助権八松緑の権三が斬り合うところへ止めに入る幡随院長兵衛を菊五郎。後半では、それぞれに傷を負った権八と権三を治療することになる医者を菊五郎が軽妙に演じるが、実はこれが天下取りを目論む大悪人という趣向。

大詰めでは、満開の桜の背景に加えて天井からも吊り桜が三重に飾られ、朱塗りの橋に黒い擬宝珠、花四天の衣装は白地に赤と黒の模様で、権八・権三の金ピカの衣装がよく映える。

最後の最後に菊五郎が高らかに「我らが一座はワンチーム」と言い放ち、「菊一座」で始まるタイトルはここにつながるのね、と納得。